健康的に太る食事

健康的に太るためにオススメの油(オイル)と、脂質を効率的に消化する効果のある食べ物

痩せている方が健康的に太るためには「脂質」の摂取が必要不可欠です。

脂質はたんぱく質や糖質と共に「3三大栄養素」のひとつであり、身体にとって必要不可欠なエネルギー源。

脂質と聞いても、なんとなくただ高カロリーなだけの栄養素と思われがちですが、それは大間違い。細胞膜の原料になったり、ビタミンの吸収を助けたり、ステロイド・ホルモンの生成に欠かせなかったり、脳の機能を正常に保ったりと、体内で大活躍します。

脂質の摂取量が不足していると、肌荒れが起きたり、イライラして集中力が続かなくなったり、痩せすぎたり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上がったり、さまざまな弊害が現れるでしょう。

 

健康にとってとても大切な脂質は、サラダ油やオリーブオイル、肉や魚、乳製品に含まれています。さらにたんぱく質や炭水化物の2倍以上のカロリーを秘めているので、痩せ体型の方が太るためにもとても大切なエネルギー源となっています。

最近ではその健康効果が注目され、オリーブオイルや魚脂に多く含まれるEPAやDHAなどを積極的に摂取するようになってきていますね。えごま油や亜麻仁油なんかも注目されています。

とはいえ、サラダ油をガブガブと飲むような過剰摂取は禁物!!

中には体質的に脂質の消化が苦手で、食べるとすぐに胃もたれしたり下痢をしちゃう人もいます。

今回は脂質のもつ健康効果とオススメのオイル、脂質の消化吸収を助けてくれる食材を紹介したいと思います。

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脂質のもつ役割や健康効果とは?

脂質は主に肉・魚・乳製品・オイル類に含まれている生命維持に欠かせないエネルギー源です。

たんぱく質や糖質が1グラム当たり4kcalであるのに対して、脂質は1グラム当たり9kcal含んでいます。同じ量でも2倍以上のエネルギーがあるんですね。

脂質は活動するためのエネルギー源としても大切ですが、体内での役割もとても重要です。

人間の活動や生命維持を統括する「脳みそ」は、そのほとんどは脂質で構成されていて、不足すると機能が低下します。

また、体中の細胞を構成する細胞膜の主要な構成成分であることから、不足すると身体全体の細胞機能が低下する原因になるといっていいでしょう。

さらに脂質は脂溶性ビタミンの収集を助ける効果もあります。

ビタミンには「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」の2種類があり、脂溶性ビタミンはその名前の通り、”油に溶ける”ビタミンです。ビタミンA・D・E・Kなどがあり、これらの脂溶性ビタミンは油と一緒に摂取することで吸収効率が劇的に上昇します。

脂質は体内で活躍するステロイドホルモンにも重要な役割を持っており、まさに生体活動に必要不可欠な栄養素といっていいでしょう。

脂質の種類

脂質は炭素、水素、酸素が結合した「脂肪酸」で出来ています。

さらにこの脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分類することができます。

 

飽和脂肪酸はバターなどの動物油が多く、常温で固形となる特徴を持ちます。

不飽和脂肪酸はサラダ油などの植物油が多く、常温で液体の形状を保つことができます。

この不飽和脂肪酸はさらに「オメガ3脂肪酸」「オメガ6脂肪酸」「オメガ9脂肪酸」3つに分類されます。

 

なんだか分類が複雑になってきたので、わかりやすいように脂質の種類について簡潔に表にまとめてみました。

 含まれる食品脂肪酸 特徴
オメガ3脂肪酸青魚

亜麻仁油

しそ油

えごま油

クリルオイル

α-リノレン酸

EPA・DHA

ドコサヘキサエン酸

ステアリドン酸

エイコサトリエン酸

血中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにしてくれる。

高血圧や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを低下させる効果がある。

不足すると脳の機能が低下する。

体内で作ることができない。

常温で液体

オメガ6脂肪酸高リノール紅花油

高リノールひまわり油

大豆油

ごま油

サラダ油

コーン油

サフラワー油

マヨネーズ

グレープシードオイル

リノール酸

γ-リノレン酸

アラキドン酸

ドコサジエン酸

コレステロール値を低下させる作用があるが、摂取しすぎると動脈硬化の原因にもなる。

アレルギー疾患の悪化の原因ともいわれている。

体内で作ることができない。

常温で液体

オメガ9脂肪酸オリーブ油

キャノーラ油

紅花油

米油

高オレイン酸サフラワー油

オレイン酸

エイコセン酸

ミード酸

エルカ酸

血中の悪玉コレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧を予防する。

腸の機能を整え便秘を改善する効果もある。

体内で作ることができる

常温で液体

飽和脂肪酸パーム油

ココナツオイルラード

バター

乳製品

肉類

チョコレート

ラウリン酸

ミリスチン酸

パルミチン酸

ステアリン酸

脳卒中のリスクを低下させるが、取り過ぎると生活習慣病の原因になる。

体内で作ることができない。

常温で個体

見ればわかる通り、油(オイル)に含まれる脂肪酸にはたくあんの種類があり、それぞれに違う特徴を持っています。

それぞれの特徴を理解して、ひとつの種類に偏らずにバランスよく摂取するようにすれば、健康的に、効率的にカロリーを摂取できるでしょう。

では、健康的に太るためにオススメの油をもう少し詳しく説明します。

健康的に太るためにオススメの油と控えた方がよい油

最新の研究では、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取バランスが崩れるとアレルギー症状の原因になるということがわかってきました。

オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸の摂取比率は1:4がベストと言われています。

とはいえ、オメガ6脂肪酸はサラダ油やマヨネーズに多く含まれていて、いわゆる「脂っこい食事」ばかりだと過剰摂取になってしまう危険性があります。

食の欧米化、ジャンクフードやファストフード中心の食生活も、オメガ6脂肪酸の摂取過多の原因となります。

普通の食生活であれば、あえてオメガ6脂肪酸を摂取する努力をする必要はないでしょう。

 

それよりも、普段の食生活で不足しがちなオメガ3脂肪酸とオメガ9脂肪酸を摂取するように心がけましょう。

オメガ3脂肪酸は血管や脳を健康に保つ効果があります。

動脈硬化の予防、記憶力や集中力の向上、メタボリックシンドロームの予防など、さまざまな健康効果が期待できます。

オメガ3脂肪酸も脂質であるのは変わらないので、1グラムで9キロカロリーを摂取することができます。

オメガ3脂肪酸が多く含まれている食材の「青魚」などをたくさん食べれば、体内の脂質のバランスが整い、より健康に体重を増やすことができるでしょう。

えごま油、亜麻仁油などのオイルは加熱調理むきではないので、加熱せずに生で食べる方がオススメです。

サラダにかけたり、料理にかけたり、スプーンにすくってそのまま飲んでしまうのもオススメ。食事が手軽に、美味しさもそのままに、カロリーをプラスできます。

 

次にオメガ9脂肪酸ですが、オメガ9脂肪酸は熱に強くて料理に使ってもその健康効果が変わらないのが特徴です。

悪玉コレステロールを減らし、胃腸を活性化させる作用があります。便秘を改善したり、アンチエイジング効果も期待できますね。

最も有名なオメガ9脂肪酸系の油はオリーブオイルです。

オリーブオイルはポリフェノールが豊富で、オリーブオイルの摂取量が多いイタリアは”世界で最も健康な国”ともいわれています。

パスタにも使えるし、炒め物にも使え、しかもどこのスーパーでも売っている。

普段使っているオメガ6脂肪酸の油をオリーブオイルにかえるだけでも、健康効果が期待できるでしょう。

オイルの豆知識

  • 油は開封して空気に触れると参加しやすくなるので、2~3か月で使い切るのが基本
  • 保存は紫外線に触れず、高温にならない冷暗所に。
  • 揚げ物や炒め物に使った油は酸化しているので再利用しない。

トランス脂肪酸の摂りすぎに注意!!

トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなどの加工された植物油に含まれる脂肪酸の一種です。

トランス脂肪酸が多く踏まれた食品を食べ過ぎると、冠動脈疾患のリスクやアレルギー疾患のリスクがあがります。

まだ確かな関連性は認められていないものの、糖尿病、脳卒中、がん、認知症、不妊などへの悪影響も指摘されています。

ショートニングなんて、市販のほとんどの洋菓子に含まれているので注意が必要です。

トランス脂肪酸が多く含まれている、代表的な食品をまとめてみました。

トランス脂肪酸が多く含まれる食品

  • マーガリン
  • ファットスプレッド
  • サラダ油
  • マヨネーズ
  • ケーキ
  • アイスクリーム
  • クッキー
  • 菓子パン
  • ドーナツ
  • ポテトチップス
  • カップ麺
  • 家庭用のカレールウ
  • フライドポテト
  • チキンナゲット

普段からよく食べる、おいしそうな食べ物ばかりですね。

ここに挙げたもの以外にも、加工されていて、しかも油が多く含まれる食品には、たくさんのトランス脂肪酸が含まれていると思っていいでしょう。

 

脂質は1グラム当たり9キロカロリーと、少量でしっかりとカロリーを摂取できる太るためにオススメの食品です。

ですが、健康によいオイルもあれば、食べ過ぎると危険なオイルもあります。

まとめると、トランス脂肪酸が多く含まれる食品を控えて、オメガ3脂肪酸やオメガ9脂肪酸を積極的に摂取するのがオススメですね。

脂質の消化吸収を助けてくれる食べ物

三大栄養素の中でも最も消化されやすいのは糖質です。その次がたんぱく質で、一番消化しにくくて消化に時間がかかるのが脂質です。

脂質の多い脂っこい食事が胃腸に負担をかけ、「胃もたれ」の原因になるのはこのためです。

脂質は口内での咀嚼や胃でも消化されるけれど、その大部分は消化されずに十二指腸まで送られ、そこで分泌される「胆汁」や。、すい臓で作られる酵素「膵リパーゼ」で消化されます。

体質的に脂質の消化が苦手であったり、加齢で胃腸の機能が低下してしまうと、脂質を効率的に消化吸収することができません。

脂質をしっかりと消化吸収するためには、十二指腸を健康に保つことが大切です。

胆汁を増やして脂質を分解する!!

十二指腸でまず最初に脂質の分解するのは胆汁に含まれる「胆汁酸」です。

脂質の分解に重要な役割を持つ胆汁ですが、その分泌を促進してくれるのが杜仲茶(とちゅうちゃ)です。

杜仲茶にはアスペルロシドという成分が含まれていて、この成分が胆汁の分泌を助けてくれます。

食前や食後に濃い目に淹れた杜仲茶を飲めば、十二指腸での脂質の消化吸収を助けてくれるでしょう。

ただし冷たいお茶は内臓を冷やしてしまい、消化吸収を妨げる可能性があります。杜仲茶を飲むのならホットがオススメです。

 

また、水溶性食物繊維を積極的に摂取するのもオススメ。

水溶性食物繊維には腸内の古くなった胆汁を吸着し、体外に排出する作用があります。腸内がリフレッシュされ、新しい胆汁の分泌を促すことができます。

十二指腸の健康を保つのにも効果を発揮するでしょう。

水溶性食物繊維を多く含む食品

海藻類、こんにゃく、ゴボウ、納豆、アボカド、にんじん、オクラ、きのこ類、やまいも、ごぼう、レモン、モロヘイヤ、大麦、ピュアココア

この中でも特にオススメなのが、きのこ類の舞茸です。

舞茸は水溶性食物繊維が豊富でありながら、アスペルロシドも豊富に含んでいます。

脂質の消化吸収を助けてくれる最適の食品といっていいでしょう。

胃腸薬を使うのもオススメ

脂っこい食事をしなければいけない場合や、どうしても消化不良になりがちの場合は、胃腸薬を適切に使うのもよいでしょう。

例えば胃腸薬として有名な太田胃散には、「ウルソデオキシコール酸」という成分が含まれています。ウルソデオキシコール酸は胆汁の分泌を促し、脂肪の消化を助ける機能を持っています。

こういった胃腸薬も消化器官の負担を軽減するためには有効ですね。

脂質で健康的に太るための食生活のコツまとめ

三大栄養素のひとつである「脂質」は、少量で高カロリーを摂取できるため、効率的に太るためにオススメ。

脂質は「飽和脂肪酸」「オメガ3脂肪酸」「オメガ6脂肪酸」「オメガ9脂肪酸」などに分類されますが、特にオメガ3脂肪酸を積極的に摂取することで健康的に太ることがでます。

脂質の消化吸収は主に十二指腸で行われますが、そこでカギとなるのが「胆汁」と「膵リパーゼ」です。これらが脂質を分解・吸収する役割を担っています。

胆汁の分泌を促進させる杜仲茶や舞茸、水溶性食物繊維を多く含む食材を積極的に食べれば、脂質も効率的に消化吸収できるでしょう。

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