健康的に太る基礎知識

糖尿病を予防しながら健康的に体重を増やす3つの方法

痩せていると貧相に見えるから太りたい!

だけど、食べ過ぎたら血糖値が上がって糖尿病になってしまうのでは?

そんな不安を持っている方もいるかもしれません。

 

確かに痩せた体型だったとしても、暴飲暴食を繰り返せば糖尿病のリスクが上昇してしまいます。

糖尿病を予防しつつ、健康的に体重を増やすにはどうすればいいのでしょうか?

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糖尿病のふたつの種類

まずは糖尿病について、すっごく簡単に説明します。

糖尿病には自己免疫疾患が原因の「1型糖尿病」と、遺伝的要素や生活習慣に起因する「2型糖尿病」のふたつがあります。

日本の糖尿病患者の90%以上が2型糖尿病に分類されるといわれています。

1型糖尿病は10代で発症することが多い病気。自己免疫がトラブルを起こし、インシュリンを分泌するすい臓を攻撃してしまうことが原因で発病します。

例えば円形脱毛症も、同様に免疫機能の誤作動が原因。免疫が毛根を攻撃するためにゴッソリと髪が抜けてしまいます。1型糖尿病と同様に、10代で発症することが多い病気です。

1型糖尿病も円形脱毛症も、正確な発症原因は明らかになっていません。治療するには、医療機関を受診して医師の指導を仰ぐ必要があります。

 

1型糖尿病を事前に予防することは難しいですし、そもそも日本人は1型糖尿病にかかりにくいともいわれています。

問題は2型糖尿病です。

2型糖尿病は遺伝的になりやすいかどうかも影響しますが、暴飲・暴食、ストレスや寝不足に運動不足、このような生活習慣が原因で発症します。

甘いものを食べ過ぎて急激に血糖値が上昇すると、血糖値を正常レベルに抑えようと、すい臓から多量のインシュリンが分泌されます。血糖値の上昇はすい臓に負担をかけ、糖尿病リスクを上げるといっていいでしょう。

糖尿病を予防するための食生活

2013年の「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」では、炭水化物・たんぱく質・脂質の3大栄養素を摂取する際の理想的な割合を提示しています。

全体の50~60%を炭水化物から。

全体の20%をたんぱく質から。

そして20~30%を脂質から。

このバランスでカロリーを摂取することを推奨しているのです。

 

炭水化物抜きダイエットが流行していますが、そのようなひとつの栄養素だけを摂らなかったり、逆に過剰に摂ったりすることはお勧めできません。

炭水化物を抜いたからと痩せるという明らかなエビデンスがないばかりか、健康を害してしまう可能性もあります。

太ることも同様で、どれかひとつを過剰に摂取することは、健康を害してしまう可能性があります。例えば1グラム当たりのカロリーが一番多い”脂質”をたくさん食べたからと言っても、血液中の脂質が過剰になり、さまざまな血管障害の原因になるでしょう。

糖尿病を予防しつつ健康的に太るには、炭水化物を抜いてたんぱく質や脂質からカロリーを取ろうとしたり、逆に炭水化物を多めに食べたりするのではなく、3大栄養素をバランスよく食べることが重要です。

 

ひとつだけ気を付けて欲しいのが、砂糖がたくさん入ったお菓子や清涼飲料水は摂取しすぎないということ。

砂糖の主成分は”ショ糖”という糖類ですが、ショ糖の摂り過ぎは糖尿病のリスクをあげてしまいます。

ショ糖ではなく果糖を摂取する!

食べ物には血糖値の上昇レベルを数値化した「GI値」というものが設定されています。

GI値が高ければ高いほど、摂取した直後に血糖値が上がりやすく、糖尿病のリスクも上昇します。

GI値が低ければ低いほど、摂取した後に血糖値は緩やかに上がっていくので、糖尿病のリスクもそれほど上がりません。

 

砂糖(ショ糖)はGI値が高く、摂取するとすぐに吸収されてしまい、血糖値を上昇させてしまいます。

甘いものが食べたくなったら、ショ糖よりも果糖がオススメ。

果糖はショ糖に比べてGI値が低く、摂取しても緩やかに吸収されるので、糖尿病になりにくい糖類と言えます。

ある程度の果糖の摂取は糖尿病リスクを低下させた、なんて研究結果もあるようです。

もちろん摂り過ぎは逆効果ですが、果糖を適度に摂取すれば血液中の中性脂肪レベルや血統レベルを改善する効果があります。

 

危険なのはショ糖です。

ショ糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類と呼ばれる糖類で、ショ糖の食べ過ぎは糖尿病や内臓脂肪の増加の原因になります。

果糖(フルクトース)のGI値は50以下

対してショ糖(スクロース)のGI値は約60。

砂糖を使ったお菓子やデザート、砂糖がたっぷり入ったジュースは、日常的に食べない方が良いでしょう。

 

果糖はその名の通り、果物に多く含まれています。デザートを食べたくなったら、ショ糖がたくさん入ったケーキやアイスやプリンよりも、甘い果物を食べましょう。

カロリーを摂取しながらも運動をする

糖尿病のリスクを上げるのは、皮下脂肪ではなく内臓脂肪です。

内臓脂肪の減らして、しっかりと皮下脂肪をつけるのが、健康的に太るコツ。

オススメなのはしっかりと食べて、ちゃんと運動することです。

内臓脂肪は皮下脂肪に比べて食べるとつきやすく、運動すると減りやすいという特徴を持っています。

しっかりと食べて運動すると、皮下脂肪よりも先に内臓脂肪が減るので、結果的に皮下脂肪だけが残ることになります。

皮下脂肪は健康への害がほとんど無いですし、身体のフォルムをふっくらとさせる効果があります。

運動すると太れない!!と思うかもしれませんが、食べることと運動することを並行して行うことが大切です。

糖尿病を予防しながら太る3つの方法まとめ

では、糖尿病を予防しながら太る方法をまとめてみましょう。

①バランスの良い食事をしっかりと食べる

太るには当然のことながら、摂取カロリーを増やして、消費カロリーを少なくする必要があります。ですが、バランスの悪い食事内容では糖尿病やいろんな疾患の原因になります。

炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよく摂取し、全体として高カロリーになるのが理想です。

理想的なのは炭水化物が50~60%、たんぱく質が20%、脂質が20~30%の割合です。

②GI値の高い食べ物を控える

GI値の高い食べ物は急激な血糖値の上昇を招き、糖尿病リスクを増加させます。

砂糖の主成分であるショ糖や、ビールの麦芽糖なんかもGI値が高いです。

甘いお菓子やビールを控えましょう。

③しっかりと運動をする

食べて寝て、食べて寝て…を繰り返せば、確かに太れるかもしれません。ですが、そんな太り方はとっても不健康。

皮下脂肪と共に内臓脂肪が増えてしまい、糖尿病のリスクも増えます。

しっかりと運動することを習慣づければ、皮下脂肪は増えつつも、内臓脂肪は減っていきます。

ハードな運動は必要ありません。健康的に太るために、1日30分の散歩程度の軽い運動をやってみましょう。

 

この3つの方法を実践すれば、糖尿病のリスクを抑えつつも、健康的に体重を増やすことができると思います。

また、糖尿病の疑いがある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

これらの方法はあくまでも”予防”のためのもの。糖尿病になってからの食事内容については、医師や食事療法士と相談しつつ決めるのが大切です。

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