「胃弱」は胃の機能が弱まっている状態のこと。
放置しておくと、食欲不振や痩せすぎ、栄養不足の原因になります。
そればかりか、動脈硬化や胃がんなどのリスクを上げてしまうこともあるので注意が必要です。
今回は胃弱の原因として考えられる3つ原因や、胃弱を改善する方法を紹介します。
胃弱の自己診断チェック項目
”食”は健康を維持するために根本的な要素ですが、胃弱は食欲を減退させ、さまざまな体調不良の原因にもなります。
そんな胃弱の代表的な症状がこちら。
胃弱の症状
- 食欲を感じない
- 胃のあたりに常に不快感がある
- 朝食を食べることができない
- ゲップが出る
- 慢性的に便秘や下痢をしている
- 胃がキリキリと痛む
- 肩こり、首こり、腰痛がある
当てはまる項目が多ければ多いほど、胃弱である可能性が高いと考えられます。
チェック項目に「肩こり、首こり、腰痛がある」という欄がありますね。
なんとなく胃弱とは関係なさそうですが、そうでもありません。
胃弱になると、無意識に胃を守ろうとしてしまい姿勢が悪くなるのです。前傾姿勢の猫背になりがちになるんですね。
そのため、肩こりや首こりの原因になりますし、腰への負担も強まるので腰痛のリスクを上げてしまいます。
胃弱は食欲不振ばかりではなく、体中に悪影響を及ぼすんですね。
では、胃弱の代表的な原因を紹介します。
胃弱の原因①ピロリ菌
「慢性胃炎」は何らかの要因で胃にストレスがかかり、その影響で胃が炎症を起こして機能が低下している状態のこと。
胃弱の主要な原因のひとつです。
近年では慢性胃炎の主要な要因としてピロリ菌の悪影響が考えられています。
ピロリ菌は強酸性の胃の中でも活動できる細菌で、慢性胃炎の原因になるばかりか、胃がんのリスクをも高めてしまいます。
ず~っと胃弱に悩んでいる方の胃にも、ピロリ菌がいるかもしれません。
私自身も慢性的な胃弱に悩まされていたのですが、健康診断で胃の中にピロリ菌がいることがわかりました。
病院でピロリ菌を除菌すると、胃の膨満感や強烈な胃痛がウソのように無くなったのです。
昔に比べて胃の中にピロリ菌がいる人は、圧倒的に減ってきています。
ですが、胃弱に悩んでいて、いろいろと対策をしてもまったく改善しない場合、胃の中にピロリ菌がいる可能性は十分にあります。
消化器の内科で簡単に検査することができるので、いちど調べてみるのもオススメです。
個人的な体験談から言わせてもらうと、ピロリ菌を除菌すると胃の調子がぜんぜん違いますよ!!
胃弱の原因②飲酒や喫煙の習慣
適量の飲酒であれば食欲は増しますし、胃液の分泌を促して消化を助ける作用があります。
ですが刺激の強いアルコールの飲み過ぎは胃の粘膜を刺激し、胃弱の原因になります。アルコールによって胃を保護する粘膜が剥がれ、胃酸が胃にダメージを与えてしまいます。それによって胃に炎症が起きてしまうのです。
アルコール度数の高いお酒を飲んだり、空腹時に飲み過ぎると、胃が荒れて急性胃炎になってしまうこともあるので注意が必要です。
アルコールから胃を守るためには、牛乳を飲んでおくのがいいなんて話もありますが、実はあまり意味がありません。
お酒を飲む前には、以外にも脂っぽいものがオススメ。
居酒屋のメニューにもたくさんあるので、空揚げやドレッシングのかかったサラダなんかを事前に食べておくことで、油分が胃を保護してくれるでしょう。
飲酒と同様に、喫煙も胃弱の要因となります。
煙草を吸うとスッと指先が冷たく感じる場合がありますが、これは吸った瞬間に毛細血管が収縮して血流が悪くなるから。
この瞬間的な血行不良は胃でも起こります。
胃の周りの胃粘膜には毛細血管が張り巡らされていて、タバコを吸うことで血流が悪くなり、それに伴い胃の活動も低下してしまうのです。
特に喫煙者は1日に何度も煙草を吸うため、慢性的に胃の血流が悪くなってしまうことも。
喫煙者に食欲不振や胸やけを感じる人が多いのも、胃の血流不足が原因と考えられます。
胃弱の自覚症状が出るほどたくさん煙草をすっているとしたら、健康のためにも数本数を減らす方がいいですね。
飲酒や喫煙から胃を守る対策
- 強いお酒を飲み過ぎない
- 空きっ腹にお酒を飲まない
- 飲酒の前に脂っこいものを食べる
- 煙草を吸う本数を減らす
胃弱の原因③精神的ストレス
「ストレスで胃が痛い…」
という状況は、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。
緊張して食欲がわかないとか、失恋して食べ物が喉を通らない、なんて状況も同じです。
精神的ストレスは胃にダイレクトに悪影響を及ぼします。
なぜなら、ストレスを感じると交感神経が活発化するから。
たとえば森の中を歩いていて、前方の茂みが「ガサガサッ!!」と動いたとします。
(猛獣が飛び出してくるかも!!?)
そのストレスは交感神経を刺激し、全身の血流を増加させます。心臓はドキドキして、集中力も増します。
これは外敵と戦ったり逃げるための準備といわれています。
この動物的な本能が、現代社会でも同じように働いているわけです。
緊張状態では消化器官を活動させることはむしろ不利に働くので、交感神経は胃腸の活動を低下させてしまいます。
慢性的に家庭や仕事、人間関係でストレスを感じている場合、常に戦闘状態といっていいほど交感神経は活性化しています。
つまりストレスで胃が痛くなるのは交感神経が活性化するため。
そんな状態が続けば、胃腸は疲れてしまいますし、全身にいろんな弊害がでてしまうでしょう。
もし強いストレスを感じている自覚があるのなら、上手にストレスを解消する必要があります。
代表的なストレス解消法
- 軽い運動
- 趣味の時間を持つ
- しっかりと睡眠や休息をとる
- 友達や家族と話す
- 動物と触れ合う
- お風呂に入ってリラックス
胃弱の原因④加齢
胃や腸などの消化器官は、他の臓器と比べると加齢による衰えの影響が少ないといわれています。
ですが、やはり歳を重ねれば、胃の活動も低下していきます。
胃の粘膜が収縮して”ぜんどう運動”弱まりますし、胃酸の分泌量も減っていきます。
臓器が加齢の影響を受けるのは、ある程度しょうがないのですが、その老化スピードを遅らせることはできます。
先ほども説明した通り、胃はストレスの影響を強く受ける臓器です。胃には自律神経が張り巡らされていて、精神的ストレスの悪影響がすぐにあらわれるのです。
胃を若々しく保つには、自律神経を安定させることが大切。
つまりストレスを感じない生活を続けることが、胃腸を若々しく保つコツということになります。
加齢は自然なことであり、それを止めることはできません。
ですが、胃腸は加齢の影響を受けづらいので、リラックスして楽しんで生活を続ければ、胃の調子を若いままで維持できる可能性は高まるでしょう。
胃弱の原因⑤食生活
暴飲暴食も食事制限も、胃への負担となり、胃弱の原因になります。
体質的に胃が弱い人であれば、ちょっとした食生活の乱れが続くだけでも胃弱の状態になってしまうでしょう。
例えば朝食を抜いてしまうこと。
朝ご飯を食べないと、昼までずっと胃が空っぽ。
その状態でも胃液は出続けるので、胃壁が荒れる原因になります。
朝食を抜く→胃が荒れる→食欲を感じなくなる→昼に食欲を感じない→食事量が減る→胃が荒れる→
こんな悪循環に陥ってしまうことも。
食欲というのは不思議なもので、しっかりと食べれば食欲が増しますし、食事を抜いたりすると食欲が減ってしまいます。
朝にしっかりと食べれば、胃があれるのを防ぐこともできますし、昼や夜に健康的な食欲を感じることができるでしょう。
食事の内容も脂っこいものは避け、消化に良い食べ物を中心にすることが大切。すっごく辛い食べ物や、極端に冷たいもの、熱いもの食べるのも胃弱の原因になるでしょう。
胃弱を自覚しているのなら、よく噛んで食べるのも大切です。
口は最初の消化器官で、食べ物をかみ砕き細かくし、唾液と混ぜ合わせることで、胃や腸での消化効率を上げてくれます。
ひと口で30回噛む、そんな目安を決めて実践するのがオススメです。
胃弱を予防する食生活のポイント
- 3食しっかり食べる
- 消化に良い食べ物を選ぶ
- 辛すぎや冷たすぎなど、刺激の強い食べ物を避ける
- よく噛んで食べる
胃弱の原因と対策まとめ
- ピロリ菌
- 飲酒や喫煙の習慣
- 精神的ストレス
- 加齢
- 食生活
胃弱の主要な原因として5つを紹介しました。
中年期以降であれば、ピロリ菌や加齢の影響が考えられます。
まだ10代、20代であれば、食生活や精神的なストレスの影響で胃弱になっているのかもしれません。
胃弱は放置しておいても命の危険にさらされるわけではありませんが、体調不良やだるさの原因にもなりますし、いろんな病気リスクを上げてしまう可能性もあります。
それぞれに原因に対して、考えられる対策を紹介しました。
しっかりと胃弱対策して、少しくらい暴飲暴食しても平気な元気な胃を取り戻しましょう!!