健康的に体重を増やすには、朝食をしっかりと食べたほうがいいのでしょうか?
それとも朝食を抜いたほうがいいのでしょうか?
普通に考えれば、朝食をしっかり食べたほうがいいような気がします。
ですが「朝食を抜くと太る」という話も聞いたことがあります。
どちらが正しいのかを「科学的に検証した論文」を探してを調べてみました。
健康的に太るには朝食を食べたほうがいい?
まずミモフタモナイ結論から言ってしまうと、健康的に太るために朝食を食べたほうがいいのか、それとも抜いたほうがいいのかは、その人の体質やライフスタイルによって変わってきます。
朝食を抜いたほうが太りやすい
基本的な考えとしては、朝食を抜いたほうが体重は増えやすいです。
イエール大学とコネチカット大学が行なった研究では、朝食をしっかり食べるよりも、朝食を抜いたほうが太りやすいことがわかりました。その肥満リスクは2倍にもなるとのことです。
食べる回数が少ない方が太るなんて変な話ですね。
アメリカの学校では昼の給食のように朝食を出してくれるところがあるそうなんですが、自宅で朝食を食べて学校でも食べる「朝食を2回食べるこども」の方が太りにくいという驚きの結果が出ました。
朝食を抜いてお腹ペコペコのときに昼食を食べると、急激に血中の血糖値が上昇します。
それに対処しようとインシュリンの分泌も増えることになります。
このインシュリンがカロリーを脂肪に変える効果を持っているので、朝食を抜いた方がしっかりと太れるのではないでしょうか。
「朝食を抜くと太る」という研究結果は名古屋大学の研究チームも発表しています。
朝食を抜くと体内時計や脂質の代謝のリズムが乱れ、体重が増えることがラットの実験で分かったと、名古屋大の研究チームが31日付の米科学誌プロスワンで報告した。チームは「規則正しく朝食をとることで体内時計がリセットされる。朝食が健康に良いことの科学的根拠となる結果だ」としている。
参照元:「朝食抜くと太る」確認 体内時計や代謝乱れ(毎日新聞)
朝食を抜くと太ってしまう原因は、体内時計のズレにあるようです。
体内時計遺伝子は「太陽の光を浴びる」ことでリセットされるのは知られていますが、「食事のタイミング」にも大きな影響を受けます。
朝食を抜くと体内時計のリズムが遅れてしまい、午前中に体温が上がらず、消費カロリーも低いまま。
その結果、トータルとしては体重が増えてしまうことがわかりました。
朝食を抜くと不健康!?
平安時代の枕草子には、「もともと1日1食だったのを2食にしたから病気になる人が増えた」という記述があるらしいです。
また、朝昼晩と1日3食食べるのは、つい最近作られた文化であるとも言われています。エジソンが自分の発明したトースターを売るために、朝食の文化を作ったなんて説もあります。
1日3食食べなければいけない、という考え方は必ずしも正しくはないんですね。
それに、朝食を抜いたから取って不健康になるという科学的な根拠はあまりないようです。
「朝食を抜くことは健康に良い」という説を唱える医師もいます。
朝食を抜くと、前日の夕食から考えて「12時間以上食べない状態」が続くことになります。
そのような飢餓状態では「サーチュイン遺伝子」と呼ばれる遺伝子が活性化し、免疫力がアップして健康長寿になるとか。
多くの動物実験でも、「たくさん食べているグループ」と「食事量を制限したグループ」では、たくさん食べているグループの方が短命であるとわかっています。
これもまた、サーチュイン遺伝子が活性化しているからと考えられています。そのため、サーチュイン遺伝子は”長寿遺伝子”とも呼ばれています。
朝食を抜くと健康に悪い!!
そんな常識は、もう古いものになっているのかもしれませんね。
”朝食は食べなくてはいけない”という常識は気にしない
午前中からアクティブに活動する人は、しっかりと朝食を食べたほうが生活全体のクオリティは上がるでしょう。
朝食を食べることで体内時計がリセットされるし、体温も上昇し、活動の準備を始めます。
逆に生活が不規則な人は、朝食を食べないで、昼食のタイミングをずらすことで生活リズムを調整することができるでしょう。
自分で朝食抜きの生活と朝食をしっかり食べる生活をやってみて、身体の調子がよかったり、気分的にやりやすいほうでいいと思います。
何はともあれ、しっかりと食べて栄養を摂取するのが一番大事です。
「健康的に太る」という観点から見れば、やっぱり3食をバランスよくきちんと食べる方がいいでしょう。
ですが、そういった常識にこだわる必要はありません。
朝起きた後にはたくさん食べられないという人は、その分お昼にたくさん食べればOK!!
少なくとも”朝食は食べなくてはいけない”という常識は、あまり気にしないほうがいいでしょうね。