親が痩せていると、その子どもも痩せてしまいがち。
その理由は”遺伝”なのでしょうか?
確かに遺伝的な要素もあるのでしょうが、それよりももっと強く影響を及ぼすのが”環境”です。
私たちは自分が思っているよりも遥かに強く、環境の影響を受けます。
親が痩せていると、その影響で自分も痩せていきます。
兄弟が痩せていても、痩せていくでしょう。
痩せている友人が多いのも、痩せる一因です。
痩せ体型は周りの人間に、まるで伝染病のように移っていくのです。
その理由と、太る方法を紹介します。
まわりに痩せ体型が多いと自分も痩せていく
人間は他人と同調しようという本能があります。
とくに親しい間柄の家族や友人とであれば、その傾向はさらに強くなります。
例えば食事の量。
友人がたくさん食べていると、つられて自分もたくさん食べちゃう。逆に友人があんまり食べないと、自分もあんまり食べる気がなくなっちゃう。
自分のまわりに小食で痩せている人が多ければ多いほど、自分の食生活も「痩せている人の食生活」に変化していくでしょう。
ここで、食事量と人間関係についての面白い実験を紹介します。
ハーバード大学のニコラス・クリスタキスと、カリフォルニア大学サンディエゴ校のジェームズ・フォーラーは、肥満が感染するという驚きの事実を発見しました。
これはマサチューセッツ州に住む12,000人の男女の32年にもわたるデータを検証して得られたもの。
何年もの体重変化を検証した結果、あるひとりが太ってしまうと、その周りの人たちも太る可能性が57%も高くなるとのこと。
さらに兄弟のひとりが太ると、他の兄弟の太るリスクは40%高くなるし、夫婦のひとりが太るともうひとりが太るリスクは37%も高くなるという結果が!!
まさに伝染病のように、肥満が感染することがわかったのです。
しかも、伝染するのは肥満だけではありませんでした。
喫煙の習慣。
睡眠不足。
抑うつ。
こういった生活習慣やメンタル状態も、肥満と同じように人から人へ感染する傾向が見て取れたのです。
実験では「痩せ体質も感染する」という検証はしていません。
ですが、肥満や生活習慣が感染するのなら、とうぜん痩せすぎも感染する可能性が高いでしょう。
なぜ、痩せ体質は感染するのか?
なぜ、肥満や痩せは人から人へ感染するのでしょうか?
その大きな理由のひとつに「同調作用」があります。
最初に申し上げたように、人は誰かと一緒の行動を無意識に取ってしまうのです。
相手が足を組んだら自分も足を組んだり、相手が食べているものを食べたくなったり、相手が髪をさわったら自分も触ったり…。
とにかく親しい間柄の人間と同調しようとする。
これは集団生活の中で円滑にコミュニケーションをとるための本能なのでしょう。
食事の量も、どうように周りの人間に強く影響を受けます。
子どものころから太っているとしたら、恐らく家族も太っているし、家族の食べる量も多いでしょう。
子どものころから痩せているとしたら、恐らく家族も痩せているし、食べる量も少ない可能性が高いです。
また、もっとダイレクトな視覚による影響も考えられます。
人間はよく見る体型を”正常な体型”と認識するようになる。
まわりに痩せている人が多く、その体型をよく見ていればいるほど、痩せている体型=普通という認識が出来上がるのです。
その認識のズレが、痩せすぎ体型の原因のひとつとなっているのです。
痩せすぎの家族や友人が多い人が太るためにはどうすればいいのか?
「痩せているのは生まれつきの体質だから…」
と太るのを諦めている人もいるでしょう。
でも、ただ付き合う人間をちょっと変えただけで、劇的に体重が増える可能性があります。
まわりの人が小食だと、自分も食べる気がなくなっちゃいます。
目の前の人が美味しそうにたっくさん食べていると、自分もなんだかいっぱい食べたくなってきます。
もし太りたいのなら、ぜひとも太っている人と友達になりましょう。
太っている人を見ながら食事をするだけでも、食事の量が増えるという統計もあります。
太っている人と一緒に食事をすれば、きっといつもよりたくさん食べれるし、しっかりと太れるのではないでしょうか。
もし、太っている人がまわりにいないし、友達になるのも難しい…ということであれば、太っている人が食事をしている画像や動画を見るだけでもある程度の効果があります。
でみ、食卓に相撲取りの写真を入れた額を置いて、それを見ながら食事をするのもなんかむなしい…。
そんなときは、YouTubeがオススメ。
今はYouTubeで大食いチャレンジの動画なんかたくさんあります。
そんな動画を検索して、太っていて美味しそうに食べるYouTuberなんかを観ながら食事をしたら、意外と自分も太れるかもしれません。
独り暮らしで食事はいつもひとり…なんて人にもオススメ。
ひとりで食事をすると食事量は減る傾向にあり、たくさんの人たちと食事をすると食事量が多くなる傾向があります。
実験では、目の前に鏡を置いて自分の姿を見ながら食事をするだけでも、食事量が多くなったとか。
とにかく、食事会や飲み会で、思いがけずたくさん食べてしまった経験は誰もがもっているでしょう。
ひとりで食事すると食事量も少なくなりがちですが、YouTubeの大食い動画を見ながら自分もバリバリ食べれば食事量が少なくなることもなくなるのではないでしょうか?