しっかりと栄養を吸収して体重を増やすために腸内環境がとても重要であることが、最近の研究からわかってきました。
腸内細菌もまた、食べ物の消化吸収を助ける作用があり、腸内環境が悪化すると食べ物が上手く消化吸収されないのです。
腸内細菌のバランスの事を「腸内フローラ」と呼びます。善玉菌が多くて健康的な腸内フローラを形成することが、健康的に太るためにとても大切。
この腸内フローラは遺伝や体質の影響はわずかにあるものの、その殆どが食習慣によって決定されます。
健康で理想的な腸内フローラを形成するには、ヨーグルトなどの乳製品や、納豆などの発酵食品を積極的に食べることが有効とされていますね。
ですが、逆に食べることで腸内フローラを破壊してしまう食べ物も存在するようです。
食べ過ぎると腸内細菌を死滅させてしまう食べ物は?
食べ過ぎると胃腸に刺激をあたえ、善玉の腸内細菌をも殺してしまう可能性のある食品…
それはニンニクです。
ニンニクはユリ科ネギ属の植物で、とにかくスタミナ増強作用があること有名ですね。
その名前の由来は、平安時代の僧侶が激しい修行に耐えるために好んで食べたから。仏教用語では「耐え忍ぶ」ことを「忍辱」(にんにく)と呼び、そこからニンニクと言う名前になったとか。
遥か昔から、その強い滋養強壮効果が知られていたんですね。
そんなニンニクのパワーの源は「アリシン」という成分。
アリシンは滋養強壮や疲労回復効果があるものの、強力な殺菌・解毒・抗酸化作用も持ち合わせています。
その殺菌作用はすさまじく、コレラ菌やチフス菌すらも殺菌するとか。
適度の摂取であれば疲労回復やアンチエイジングに効果がありますし、新陳代謝を高めたり、食欲増進効果もあります。
ですが、食べ過ぎは危険!
アリシンにコレラ菌やチフス菌を殺菌する作用があるとしたら、腸内のビフィズス菌や乳酸菌なんてひとたまりもないでしょう。
ニンニクの食べ過ぎは、強すぎる刺激で胃腸の粘膜がダメージを受けて消化吸収能力の低下を招いたり、腸の中の善玉菌をも殺菌してしまう可能性があります。
ニンニクのアリシンは切ったりすりおろしたりすることで、より強力になります。特に生ニンニクは強烈な刺激になるので注意が必要です。
逆にニンニクの丸ごとホイル焼きのような調理法であれば、生ニンニクすりおろしよりアリシンが少なく安全に食べることができるでしょう。
ニンニクの副作用
- 胃腸障害
- 胃痛・腹痛
- 下痢・便秘
- 息が凄まじく臭くなる
このような危険な副作用が現れない目安は生ニンニクで1日1片くらいです。
加熱調理するとしても1日2~3個くらい以内にしておくのがいいでしょう。
普段から胃腸の調子が悪かったり、下痢が続いているということであれば、より食べ過ぎに注意したいですね。
感想
ニンニクの食べ過ぎは腸内環境を破壊する!!ラーメン屋でニンニクがあるとすっごい入れちゃうくらい大好きだけど…ほどほどにしておいた方が良さそうですね(汗)
歯磨きしても3日くらい息が臭くなっちゃうし…。
食品添加物も腸内フローラに悪影響を与える?
保存料、着色料などの「食品添加物」は、コンビニのお弁当やインスタント食品、清涼飲料水などのもたくさん配合されています。
もはや、私たちの食生活に欠かせないものになっているといっていいでしょう。
食品添加物と聞くと、なんとなく取り過ぎは身体に悪そうな印象を受けます。
そんな疑問に答える実験が、アメリカのマサチューセッツ大学で行われました。
マウスでの実験ですが、食品添加物は確かに内環境に悪影響を与えるものの、しばらく経てば腸内環境は元通り回復するという結果になったのです。
セラ氏の研究チームは、食品保存料の一種・ポリリジン(ε-ポリリジン)の影響について、マウスを用いて実験を行った。
彼らの予想に反し、ポリリジン化合物は腸内細菌の多様性を一時的に混乱させたものの、この変化は一過性のものであり、研究期間であった15週間のうちに腸内細菌叢は回復し、元の状態と同程度に戻った。
このことはマウスの性別に関係なくみられたという。
参照元:食品添加物は腸内細菌にどう影響する?
これはマウスの実験ではマウスのエサに実験終了までず~っと食品添加物を混入させていました。
ですが、食品添加物の影響は最初だけで、しばらく経過すると食品添加物を食べているにもかかわらず腸内環境は元通りになったのです。この結果は、恐らく人間にも当てはまるでしょう。
レストランのメニューも、ファストフードの肉にも、スナック菓子にもたくさんの食品添加物が含まれています。
現代社会で生きている限り、食品添加物は避けられないといっていいでしょう。
とはいえ、この実験結果を見る限り、腸内フローラ的には安心して良さそうですね。
ポイント
食品添加物の腸内フローラへの悪影響は限定的であり、それほど気にする必要はない。
腸内フローラを健康に保つためのポイント
腸内フローラにとって大切なのは”多様性”です。
いろんな腸内細菌がバランスよくぞんざいするからこそ、全体として有効に機能するのです。
最初に腸内環境を整えるにはビフィズス菌に入ったヨーグルトや、発酵食品の納豆なんかがオススメと紹介しました。また、食物繊維は腸内細菌のエサになるので、野菜や果物もとても良いとされています。
ですが、腸内フローラを考えたると何か一つだけ食べていればOKという食品はないことがわかります。
もちろん、バランスを保つためにも、「何かをまったく食べない」という食生活も危険です。
炭水化物抜きダイエットが流行していますが、適度な炭水化物は健康維持のためにとても大切なのです。
殺菌作用の強いニンニクだって、適量を食べれば食欲増進作用もあるし、身体を丈夫にしてくれるでしょう。
たくさんの種類の食べ物を、適度に食べる。
一種類の食べ物を食べ過ぎない。
これが腸内フローラを健康に保つための”秘訣”ですね。
感想
食品添加物を食べても大丈夫という事実には安心しましたね。現代社会で食品添加物がダメとなったら、ホントにオーガニックな生活を送る必要がありあますし。
ニンニクの食べ過ぎはダメですが、とにかくいろんな食べ物を少しずつたくさん食べるのがいいみたい。
とはいえ、いろんな食品を食べるというのは、独り暮らしだとちょっと厳しい!!「30種類が入ったサラダ」とか、「余った野菜を全部入れた味噌汁」なんてのを活用するのもいいかもしれません。