以前からヨーロッパでは、ファッション誌などで痩せすぎのモデルが活躍することが問題視されてきました。
痩せ細ったモデルに憧れる若い女性が後を絶たず、拒食症や栄養失調などの深刻な健康問題を発生させているからです。
それを受けて、2017年5月6日にフランスで「痩せすぎモデルの活動を規制する法律」がやっと施工されました。
この法律は、どのような内容なのでしょうか?
痩せすぎのモデルはフランスでは活動できない!
さっそく、痩せすぎモデル問題についてのハフィントンポストの記事を抜粋して紹介します。
ファッションの中心地フランスで、極端に痩せているモデルたちの活動を禁止する法律が5月6日、施行された。BBCニュースなどが報じた。
この法律によって、モデルたちは肥満度を示す体格指数(BMI)が低すぎず、健康体であることを証明する医師の診断書を提出するよう義務付けられる。この法律に違反したモデルを起用する事務所の雇用主などは、最大7万5000ユーロ(約930万円)の罰金および最大6カ月の禁固刑を科せられる。
フランス国民議会が2015年4月に可決した法案は、BMIが18を下回るモデルの活動を禁止するという内容だった。しかし、ファッション業界幹部やモデル事務所から抗議があったことも鑑み、今回施行された法律ではモデルのBMIの下限を設定していない。
参照元:痩せすぎモデルの活動は禁止、ファッションの中心地フランスで法律施行 画像修正も...(ハフィントンポスト)
モデルはファッションショーに出場する前に、医師の診断書を提出して自分が健康な体型であることを証明しなければならないようです。
それに違反すると、罰金が最大で930万円、禁固刑は最大で6か月。けっこう厳しいですね。
スペインでも似たような法律があり、BMIが18以下の痩せた体型のモデルは、絶対にファッションショーに出場することはできません。
フランスの法律はそれほど明確な線引きはなく、健康な体型であることを証明すればいいだけのようです。
世界保健機関(WHO)が規定する標準体重は18.5~25未満となっています。「健康な体型」というのも、これを基準としていくとおもわれます。
フランスでは痩せすぎモデルに憧れる少女たちが多く、拒食症などの摂食障害を持っている人も4万人もいるとのこと。
この法律は「痩せていることが美しい」という、間違った美意識を変えるための第一歩なんですね。
日本人は先進国の中でも一番栄養状態が悪い
日本の女性は8人に1人はやせ形体型といわれています。
実は日本は先進国の中でもダントツで痩せ体型の女性が多いのです。
女性全体の1日の摂取カロリーなんて、戦後の日本よりも少ないといわれています。
痩せすぎ女性が多すぎる日本は、潜在的にフランスよりも危険なのではないでしょうか。
痩せていると体調不良になりやすく、見た目も貧相です。女性は少しくらいふっくらしていた方が魅力的でしょう。
男性はぽっちゃり好きもかなりいますが、女性同士では「痩せている=美しい」という美意識が根強く残っています。
今のところ日本に痩せすぎモデルの活動を規制する法律はありませんが、不健康な美意識を改善するために、そのうち痩せすぎモデルの活動を規制する法律が出来上がるかもしれませんね。