健康的に太る食事

健康に最適な脂肪や炭水化物の摂取量は?13万人以上を調査した研究結果を紹介。

カナダにあるマックマスター大学が栄養と死亡リスクについての大規模な研究を行い、その結果を発表しました。

全世界の約13万5千人もの人々を平均7年半もの期間、追跡調査したのです。

この結果が、なかなか面白い!

 

研究で分かった、健康的な食生活の内容を紹介します。

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脂質は悪くない!死亡リスクを減らす食事

まず結論を申し上げると、この大規模な研究の結果、適度な脂質とフルーツ、そして野菜を食べ、高炭水化物食品を控える食事内容が、もっとも死亡リスクを低下させることがわかりました。

果物、野菜、大豆製品などは、1日に375~500g食べるのが良いみたい。

また、一般的には脂肪を摂取しすぎると死亡リスクが上昇すると考えられがちだけど、実際に調査した結果はその逆。

より多く脂肪を摂取した方が、死亡リスクは低下していたとのこと。(具体的には、一日の摂取カロリーの約35%)

 

実は、脂質よりも炭水化物の摂りすぎの方が危険なんですね。

 

調査の結果、炭水化物の多い食生活は、心血管疾患のリスクはないものの、死亡リスクが高くなる傾向にあったといいます。

摂りすぎはいけないとされてきた脂肪は、実は摂取量が多くてもそれほど問題ではないことがわかりました。

むしろ、脂質の摂取量が多い方が死亡リスクが低下するんですね。

 

脂肪にはたくさんの種類がありますが、死亡リスクが低下する脂質については飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸などの種類を問いませんでした。

だけど飽和脂肪酸のほうがより脳卒中リスクを低減させたとのことです。

これもまた、意外な結果ですね。

 

テレビの健康番組なんかを見ると、「不飽和脂肪酸=健康!」「不飽和脂肪酸=不健康!」というイメージが付いています。

ですが、飽和脂肪酸だって健康維持には大切なことがわかります。

飽和脂肪酸といえば、動物性の肉類に多く含まれている脂質です。

 

一般的な脂肪の摂取量は、一日の総摂取カロリーの30%以下がいいとされています。

ですがこの基準は脂肪の摂取量が多かった昔の西側諸国を基準に作られてたものであり、現代人の食生活に即していない可能性があるようです。

果物、野菜、豆類についても、適切な量は一日375~500gであり、それ以上にたくさん食べても、死亡リスクが低くなることはほとんどないようです。

また、野菜よりも果物の方がより健康にメリットが多かったとのこと。

 

このことから、炭水化物を控え、脂肪を積極的に食べる食生活の方がより健康的であることがわかります。

野菜、果物、豆類もバランスよく食べる。その中でも、果物を積極的に摂るのが良いみたいですね。

参照元:Moderate consumption of fats, carbohydrates best for health, international study shows(ScienceDaily)

日本人の健康的な食生活は…

日本では一日摂取するカロリーの三大栄養素の割合は、50~60%を炭水化物から、20%をたんぱく質からそして20~30%を脂質からというのがベストとされています。

今回紹介した研究結果を踏まえてみると、40~50%を炭水化物から、20%をたんぱく質から、30~40%を脂質から、という栄養バランスにしてもよい感じがしますね。

炭水化物を減らして、その分脂質を増やすバランスです。

 

脂質は1g=9klcalと、少量でも高カロリーを摂取できるので、効率的に太るための助けとなるでしょう。

脂肪の摂りすぎは身体に悪いとか、心筋梗塞の原因になるとか、そんな心配をするのではなく、むしろ積極的に食べる方が健康的かもしれません。

 

ただし、私たちは日本人であることを忘れてはなりません。

先ほど紹介した研究は5大陸の延べ13万5千人を対象に調査した結果です。

研究対象を見る限り、人種や国籍、性別などに偏りはないでしょう。

 

ですが、その結果がそのまま日本人に当てはまるとは限りません。

 

日本人は元来農耕民族であり、腸が長くて寸胴体型多く、炭水化物を消化する能力に優れていて、肉類を消化する能力は欧米人に比べると低いです。

海苔は日本人しか消化できないらしく、欧米人や他の人種の人は海苔を食べても海苔から栄養素を摂取で着ません。

それほど、消化吸収能力は、人種や個人によって多様に変化します。

 

果物や肉類を一切食べず、サツマイモしか食べないのに、サツマイモから必須アミノ酸を合成して栄養素とするような特殊な民族だって存在します。

民族の、そして個人の消化機能は、それぞれ違っていて、それに合わせた食生活を送るのが大切なのではないでしょうか。

 

そんなわけで米文化である日本人は、欧米人と同じように炭水化物を控え、脂質を多く摂取した場合に、欧米人と同じような健康効果が期待できるとは限らないでしょう。

だとしたら、どうすればいいのでしょうか?

 

先ほど紹介した世界規模の研究調査をまとめると下記になります。

①脂質は摂り過ぎたとしてもそんなに悪いもんじゃない。

②炭水化物を摂りすぎるのは、脂質を摂りすぎるよりも健康に悪影響を及ぼす可能性がある。

③果物、野菜、大豆製品は1日に375~500g食べるのがよい。

これを踏まえたうえで、自分のベストの食生活を見つけるのが良いでしょう。

 

私たちは日本人なので、やっぱり基本は日本食です。

日本食をベースにしつつも、不足気味になる脂質を補うため、ナッツ類や肉類をプラスするのが良いかもしれませんね。

そうしてバランスの良い食事を毎日続ければ、自然と健康的に太れるのではないでしょうか。

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