先日放送されたザ!世界仰天ニュースでは、拒食症について紹介されていいました。番組に登場した拒食症の少女ジョディと、彼女が拒食症を克服した流れを紹介します。
親友が亡くなったことがきっかけで食欲がなくなってしまった16歳の少女ジョディは、そのせいで体重がグッと減って痩せてしまいます。その痩せた身体を見て、ジョディは親友を失った悲しみが少しだけ和らぐのを感じました。
それがきっかけで「もっと痩せたい!!」と思うようになり、拒食症を発症してしまったのです…。
拒食症になってしまったジョディは、もともと54キロの体重が34キロまで激減してしまいました。
彼女はどのようにして拒食症を克服したのでしょうか?
拒食症の回復には段階がある
拒食症の人に対して「痩せていると不健康に見えて気持ち悪いから、もっと太った方が良いよ」とか「もう少し太った方がモテるよ」などとアドバイスしても、ほとんどの場合は意味がありません。
たとえ「このままじゃ命の危険があるから、ちゃんと食事をとりなさい!!」と医師からいわれても、太ることが嫌で食事を摂ろうとしません。
その理由は、極度の栄養不足によって脳が委縮しているからと言われています。
そのため、正常な判断力が失われているのです。自分自身の体型についても正常なイメージを持つことができず、歪んだ認識になってしまいます。
拒食症の人が、ガリガリに痩せた体型なのに「私は太っている、もっと痩せなきゃ…」と言っているのは、一般人から見れば奇異に映るかもしれません。ですが、拒食症本人から見れば、それは本気で心からそう思っています。この”認知の歪み”が拒食症をより悪化させてしまうのです。
脳の機能を低下させてしまう拒食症には「体重年齢」という言葉が使われるといいます。
体重によって、だいたいの認知能力を測る概念です。
例えば、先ほど紹介したジョディは拒食症の影響で体重が34キロしかありませんでした。
34キロはイギリスの10歳女子の平均体重。
そのため、ジョディは10歳程度の判断力しか持ち合わせていないと、そう判断するのが「体重年齢」というが考え方です。
判断力が弱まり、自己統制がとれないこの時期に「ちゃんと食べなさい!」とキツく指導するのは、ストレスがかかり過ぎて逆効果になってしまうと、番組では紹介されていました。
ジョディの場合は、まずは1日700キロカロリーを目指して、母親が料理を作り栄養管理を行いました。食べることが苦痛と感じてしまわないように、食事そのものを楽しめるように、母親は盛り付けをかわいくするなどの工夫をしていたそう。そうすることで、食事への恐怖心が少しずつ和らぎ、ついにジョディは1日700キロカロリーを食べることができるようになったのです。
危険な過食期とリバウンド期
少しずつ食べることができるようになり、骨の浮き出たガリガリ体型に脂肪がつき始めた時期…そこで、拒食症特有の過食期が始まります。
飢餓状態のなかでようやく栄養が入ってくると、身体はもっと栄養を取り込もうとするのです。
抑えられない食欲を感じて、食べ過ぎてしまう。そうすると、身体は急激に太ってしまい、その反動でまた「痩せなきゃ!!」と恐怖にかられて拒食症に逆戻り。
そうして拒食症の治療が失敗に終わってしまうパターンが多いそうです。
この恐怖の過食期をどう対処するかが、拒食症改善の大きなポイントとなります。
ジョディはお腹がすいたらレモン水を飲み、グッと食欲を抑えたと紹介されていました。
過食期を乗り越えると、次は目に見えて体型が変化していきます。
激しい食欲は収まってくるけれども、お腹がポッコリと出てきたりして、太る恐怖を感じるのがこの時期。
これがリバウンド期です。
少しずつ食べれるようになって、体重が増え始めた段階で、医師はジョディに衝撃的な事実を告げます。
「いいかい、これから怖いことを言うよ。君の身体は飢餓状態だったから、それを補うため、健康体重の10%が増加する。つまり君は、60キロ近くになるはずだ。この知識がないと、パニックになり挫折する。60キロになっても、必ず健康的に痩せることができるんだ」
拒食症になる前は54キロだったジョディ。
拒食症を改善することで、その標準体重の10%増加して約60キロの体重になるという。これは身体の仕組み状、すごく自然なことのよう。そしてこの身体の仕組みを知らないと、拒食症の治療が失敗に終わってしまうのです。
その後、医師の言った通り、ジョディは60キロの体重になりましたが、正しい知識をもっていたことで、危険なリバウンド期を乗り越えることができました。そうして今の自分を受け入れられる心の余裕を手に入れることができたのです。
番組が現在のジョディさんにインタビュー!!
正しい知識、家族の協力、そして本人の努力によって、ジョディは拒食症を克服できました。
現在のジョディは拒食症になることなく、自然でふっくらとした健康な体型を維持できています。
「体重が増えていくことが、本当につらかった。鏡の中の自分がどんどん太っていくことが怖かったです。
でも、太ることは健康なんだと言い聞かせて乗り越えました。あの時期は、本当に家族がいなければ無理でした」
ジョディはそう語っています。
ジョディのために食事を作っていた母親もその時の苦労を思い出して、番組にコメントを寄せています。
「まるで娘の中に別の人間が潜んでいるようでした。娘の頭の中をコントロールしようとする声を理解するのが難しかったです」
拒食症は”心の病”という側面が強い病気です。
改善するには、「食べることへの恐怖」や「太ることへの恐怖」を克服し、少しずつでもカロリーを摂取することが大切。そのためにも、しっかりとした知識を持つことや、周りのサポートが大切なようです。
もし拒食症を改善したいのなら、自分だけで「ちゃんと食べるようにならなきゃ!」と悩んでいると、自分を責めすぎてしまいよくありません。それよりも、家族や近くのメンタルクリニックに相談してみるのが一番の早道なのではないでしょうか。
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