どんなに健康で元気だったとしても、年齢を重ねれば重ねるほど、身体は動かなくなるし、疲れも取れなくなっていきます。
それは消化器官のひとつである”腸”にも言えます。
実年齢と同じように、腸も歳をとっていくんですね。
腸が老化すれば、当然、消化吸収の機能も衰えてしまいます。
そうなると、たとえしっかりと食事をしていたとしても、栄養の吸収が十分に行われません。
その結果、「食べているのに痩せる」という事態に陥ってしまうことも。
この記事では、腸の状態を若々しく保つ方法を紹介したいと思います。
腸の老化による悪影響
今、世界的に「腸内フローラ」という言葉が注目を集めています。
腸内フローラは腸内に存在する膨大な細菌のことを指します。
腸内フローラのなかで悪玉菌が増えると、消化吸収率が低下しますし、便秘にもなってしまいます。
そればかりか、がん、糖尿病、心臓病、アレルギーなど、さまざまな病気と腸内環境に関係があることがわかってきました。
体内の”めぐり”が悪くなるのえ、肌荒れや抜け毛の原因にもなりえます。
腸内環境を若々しく健康に保つことは、身体全体の健康維持に欠かせないんですね。
腸の老化によって現れる悪影響
- 便秘や下痢になりやすくなる
- 免疫力が低下して風邪をひきやすくなる
- さまざまな病気リスクが上がる
- 自律神経が乱れてイライラしやすくなる
- 睡眠の質が悪化する
- 気分が落ち込みやすくなる
- 肌荒れや肌の乾燥の原因になる
- 食べても栄養が吸収されづらくなる
では、自分の腸の状態はどうなのでしょうか?
簡易的なテストで判別してみましょう。
腸の年齢チェックテスト
では、腸の年齢チェックテストを紹介します。
下記の項目に当てはまる事項が多ければ多いほど、腸年齢が高い可能性があります。
腸年齢チェックテスト
- 1日を通して飲む水の量が1リットル以下
- 便が硬すぎる、或いは下痢気味
- 1週間に便がでる頻度が2回以下
- 便の臭いがキツイ
- 便の色が黒っぽい
- タバコを吸っている
- 食事の時間や回数が不規則
- 肉食で欧米的な食生活を送っている
- 朝食は食べないことが多い
- 睡眠時間が6時間以下
- 日々、ストレスを感じている
- 運動不足気味
これはあくまでも簡易的なもので、正確な腸の状態がわかるわけではありません。
ですが、当てはまる項目が多ければ多いほど、腸の老化が進んでいる可能性が高いので注意が必要です。
腸を若返らせる方法
腸は大きく「大腸」と「小腸」にわかれます。
腸に存在する”腸内細菌”は、実は300種類以上と多種多様。
それらの腸内細菌が1人当たり100兆個も生息しており、まさに腸の中は細菌の人口密集地区ということになります。
300種類以上ある腸内細菌は、大きく3種類に分かれます。
善玉菌:腸によい影響を与える腸内細菌
悪玉菌:腸の環境を悪化させる腸内細菌
日和見菌:中立の腸内細菌
年齢を重ねると悪玉菌が増えやすく、善玉菌が増えにくくなってしまいます。
ですが、たとえ高齢でも食生活や生活習慣を改善することで、腸内環境を劇的に改善することはできます。
3食をしっかり食べる
腸の活動を活性化させるのは、3食きちんと食べるのが基本です。
小腸の壁には栄養を吸収するための「じゅう毛」という突起があります。
このじゅう毛は食べ物を消化するときに活発に動くのですが、食事を抜いたり、偏った食生活を送っていると、その数が減ってしまいます。
じゅう毛が減ると食べ物の消化吸収効率が低下してしまいますし、腸の老化の原因にもなります。
腸の機能を活性化させるためにも、食事を抜くのは止めましょう。
とくに大事なのが朝食。
眠っているあいだ何もしていなかった腸は、朝起きて朝食を食べることで活動のスイッチが入ります。
しっかりと朝食を食べることが、腸の若返りに繋がるんですね。
発酵食品を食べる
腸を若返らせるのにうってつけなのが発酵食品です。
発酵食品には良質の細菌がたくさん含まれているので、食べるだけで腸内の善玉菌が増えます。
もっともオススメなのが、日本が誇る発酵食品である納豆です。納豆には納豆菌のほかにもビタミン類や乳酸菌も豊富で、腸内環境を整えてくれます。
他にも味噌や漬物、ヨーグルトやチーズなどの乳製品もオススメです。
食物繊維豊富な食べ物を食べる
腸内環境を整えて、腸を若返らせるのに大切なのが食物繊維。
というのも、食物繊維は腸内の善玉菌のエサになりますし、腸のぜんどう運動を活性化させたり、便を固くして外に排出する効果があるから。
腸内の老廃物や毒素が排出されれば、腸内環境は改善します。
オススメは「寒天」です。
寒天は80%が食物繊維でできていて、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の性質を持っています。
寒天を使った料理やデザートを毎日食べるだけで、腸の年齢が若返るでしょう。
もちろん、食物繊維豊富な野菜類を積極的に食べるのも大切です。
運動を心がける
運動不足は腸の老化の原因になっちゃいます。
運動不足が続くと、全身の血流が悪化し、老廃物も滞ってしまい、腸の環境が悪化してしまいます。
運動をすると身体が温かくなり、腸の血流も増加して、活動が活性化します。
身体を動かすことそのものも、腸を動かすことに繋がるので、ぜんどう運動が活性化する作用があります。
便秘気味で運動不足の方が、ただ軽い運動をするだけで、すぐにお通じがくる場合もあります。
運動のやりすぎは逆効果ですが、軽い運動は腸の若々しく保つためにとても大切ですね。
腸を温める
小腸と大腸は、お腹の中の大部分を占める大きな器官です。
ここが冷えてしまうと、血流が滞って腸の活動も低下してしまいます。
その状態が続くと、腸内環境が悪化して悪玉菌が増殖!腸の加齢の一因になってしまいます。
そうならないためにも、お腹まわりは冷やさずに温めるのが大切。
夏でもお腹がでるような服は着ない。
寒さを感じるなら腹巻をする。
毎日、ゆっくりとお風呂に入るのもいいですね。(シャワーだけはNG!)
また、お腹をさすったり揉んだりして腸を刺激する「腸もみ」も有効です。
腸もみをすると、腸そのものが温まって活動が活性化します。便秘をダイレクトに改善する効果もあります。
「お腹が冷えているな~」
と感じたら、お腹周りを優しくさすったり揉んだりして、腸をいたわって下さい。
そうすれば、腸年齢も若返ると思います。
腸を若々しく保って健康的に太ろう
「腸内環境が悪くなっても、便秘になるだけでしょ?」
なんて思ってしまうかもしれませんが、腸内環境や腸の年齢は身体全体に影響を及ぼす可能性があります。
もし痩せ体型で太れずにずっと悩んでいたとしても、ただ腸の環境を改善するだけで、無理なく適正な体重に戻せる可能性だってあります。
いつまでも元気で若々しい身体を保つためにも、腸の健康にも気を使ってあげましょう。
①3食しっかり食べる
②発酵食品を食べる
③食物繊維を摂取する
④運動を心がける
⑤腸を温める
この5つを心がければ、無理なく健康的に太ることができるのではないでしょうか。