痩せていることの弊害

ヨーロッパで痩せすぎのモデルが嫌われる理由

ヨーロッパを中心として、痩せすぎ体型のファッションモデルに対する規制が厳しくなってきています。

例えばスペインの首都マドリードでは、約10年ほど前に世界で初めて、モデルの体型に明確な基準が設けられました。

ファッションショーの前に、すべてのモデルが身長と体重を測定。算出されたBMIが18.0未満だった場合は問答無用でショーへの出場が禁止になってしまいます。

このような痩せすぎ体型へ問題がとりざたされるきっかけとなったのが、あるスーパーモデルの死です。

そのスーパーモデルはアナ・カロリーナ・レストンというブラジル人の女性で、痩せすぎによって亡くなりました。

死因は痩せすぎによる栄養失調。

死亡時の体型は身長174センチに対して、体重は40キログラム。BMIはわずか13.2程度しかありませんでした。

この問題をきっかけとして、ヨーロッパを中心にゼ怪獣で痩せすぎ問題に対する取り組みが盛んにおこなわれ始めています。

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モデルの体型を規制する法律

フランスではファッションモデルに対して体重維持を義務付ける法律が制定されました。

フランスで「痩せ過ぎ」のファッションモデルに対しショー出演などで健康的な体重維持を保証する医師の証明書提出を義務付ける新たな法律が19日までに成立した。
この規定に違反した雇用主には禁錮6カ月と罰金8万1000米ドル(約968万円)の罰則が科される可能性がある。

(中略)

同法によると、フランスで拒食症などを抱える国民は3万~4万人。少女の約20%は成長過程の時期に食事量を抑制した経験を持つと指摘。「過度の痩せ過ぎなどをあがめる体形の写真などは疑いもなく不幸に通じる。特に多くの少女に言える」とし、「一部のモデルの容姿は危険な通念を広める恐れがある」と主張した。

新法は当初、全てのモデル代理店に対しモデルの体格指数(BMI)が少なくとも18を記録する医学的な証明書を受け取ることを義務付けていた。フランスの国立人口問題研究所によると、同国女性のBMIの平均は23.2で、西欧諸国では最低水準となっている。

参照元:「痩せ過ぎ」モデルに健康的な体重証明義務付け、仏の新法(CNN)

「痩せすぎ体型を理想とする考え方は不幸になる」と明確に提言しています。

 

イギリスでも過剰に痩せた体型の広告モデルに対して、掲載禁止処置が行われました。

ロンドン(CNN) 高級ブランド「イブサンローラン」の広告に登場するモデルについて、英広告規制団体の広告基準協議会(ASA)は4日までに、「不健康なやせ方」をしているとの判断を示し、そのままの状態での掲載禁止を通告した。

(中略)

ファッション広告を巡ってはやせたモデルを問題視する声が各国で広がっており、イスラエルやフランスもやせ過ぎモデル禁止を打ち出している。

参照元:やせ過ぎモデルは「不健康」、ファッション誌広告にNG(CNN)

こういった取り組みによって、若い女性の体型に対するイメージを少しずつ変えようとしているわけですね。

ヨーロッパで痩せすぎのモデルが規制されている理由

痩せすぎ体型のモデルが活躍すると、その体型に憧れる少女たちが過剰なダイエットをします。

成長期にある若い女性が痩せすぎると、その生涯にわたって深刻な健康被害があらわれる可能性があります。

具体的な痩せすぎの弊害を紹介します。

  • 骨粗しょう症になりやすくなる。
  • 疲れやすくなる
  • 冷え性になる
  • 慢性的な便秘になる
  • 新陳代謝が低下して肌が荒れる
  • 免疫力が低下する
  • 老後に介護が必要になる確率が跳ね上がる
  • 生まれてくる赤ちゃんが低体重になる

このような弊害を見る限り、痩せすぎ体型は美しさとはほど遠いといえるでしょう。もちろん見た目も美しくありません。

健康のためにもファッション業界全体で「痩せた体型は美しい」というイメージを覆す必要があるのです。

標準体型はBMI18~25の範囲内です。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例えば身長160センチで体重50キログラムだった場合のBMIは19.5です。計算式は「50÷1.6÷1.6=19.5」です。これなら標準体型の範囲内ですね。

美しく健康な体型になるためには、BMI18以上を目指すのが、世界標準ということなのではないでしょうか。

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