「お腹がすく」ということと「食欲」は、実は完全に連動しているわけではありません。
お腹がすいていないのに何か食べたくなることもあるし、お腹がすいているのに食欲がまったくわかないこともあります。
お腹がぐ~ぐ~いってるのにまったく何も食べたくない、そんな経験を持っている方も多いのではないでしょうか。
”お腹がすく”ということは、身体が「栄養が欲しいよ~」と言っている状態です。
それなのに食欲がわかずに何も食べられないと、健康を害しますし、体重も減ってしまいます。
お腹がすいてるのに食べられない原因とは何なのでしょうか?
空腹感と食欲の関係とは?
お腹がすいているのに食欲がわかない…。
その理由として考えられる原因をまとめてみましょう。
- 体調不良や何らかの病気
- 精神的ストレス
- 自律神経の乱れ
- 空腹への慣れ
それぞれを順番に説明します。
体調不良や病気が原因
体調不良や病気などは、食欲に強い影響を与えます。
誰だって風邪や大きな病気にかかると食欲が落ちてしまいますが、ちょっとした体調の変化でも食欲は低下します。
例えば季節の変わり目による温度・湿度の変化の影響によって起きる体調不良も食欲不振の原因になります。
「毎日暑くて食欲が出ない…」
なんてのも、暑さによる体力低下や自律神経の乱れで引き起こされています。
この場合は、しっかりと快適な環境を整えて、リラックスするのが大切です。
不健康な生活習慣の影響による内臓の不調も食欲不振を引き起こします。
睡眠不足やハードワークが続くと内臓機能が低下し、食べたくても食べる元気がない…なんて事態になることも。
食欲がないのに無理に食べるよりも、しっかりと休息を取ったりしながら健康な生活を送るのが大切です。
また、服用している薬の副作用、何らかの疾患が原因の場合も考えられます。
先ほども申し上げた通り、風邪をひいたときなんかはまったく食欲がわきませんよね。
風邪ならまだしも、何らかの重大な内臓疾患が原因の可能性もあるので注意が必要です。
食欲がない原因に思い当たるのならいいです。
ですがある日突然に「お腹が空くのに食べられない」なんて不自然な状態になったら、念のため病院で検査してもらうことをお勧めします。
というわけで、こういった薬や病気が原因であれば、その原因を取り除くことで食欲は回復します。
自分で何とかしようとせず、しっかりと病院で診察を受け、適切な治療をする必要があるでしょう。
精神的ストレスは胃腸にダイレクトに作用する
体調不良や疾患が原因の食欲不振もありますが、もっとも多いのがメンタルが原因の食欲不振でしょう。
朝から何も食べてなくてお腹が「ぐぅ~っ」と鳴っているのに、まったく食欲が湧かない。
人間関係や仕事、学校などで過剰にストレスを抱えると、このような”ご飯が喉を通らない状態”になってしまいます。
すっごく怖い上司や、憧れの異性と一緒に食事をするときに、ストレスで食欲がなくなっちゃう…そんなこともありえます。
きっと誰もが一度くらいは経験があるのではないでしょうか。
それ以外にも、ずっと心の片隅にある心配事、悩み、嫌な思い出、このようなものもストレスとなり、食べる気持ちを萎えさせてしまいます。
「ああ、緊張で胃が痛い…」なんてことがあり得るように、精神的ストレスは消化器官にダイレクトに作用します。
強烈な心配事があったり、ショックな出来事があった直後には、どんなに美味しいものを食べてもまったく美味しく感じません。
それだけではなく、吐き気を感じてしまうこともあります。
強いストレスで胃がキリキリ痛くなったり、ひどい場合は胃潰瘍になったりすることもあります。
或いは強いストレスで便秘や下痢を引き起こすことも。
このことからも、ストレスが消化機能にとんでもない悪影響を及ぼすことがわかりますね。
一般的には食欲がわかないのなら、お粥などの消化に良いものを食べるのがよいとされますが、ストレスが原因の場合はあまり効果的とは言えません。
この状態を改善するには、精神的なストレスをなくすのが一番。
とはいえ、いきなり「ストレスを感じなくなりましょう」とか「ストレスの原因を取り払いましょう」とかいわれても難しいですね。
どうすればストレス状況下でも、しっかりと食べれるようになるのでしょうか?
食欲を感じるためのストレス軽減方法
ストレスによって食欲不振になってしまう人の特徴として、「痩せている」「運動不足」「睡眠不足」「ネガティブ思考」などが挙げられます。
普通体型、もしくは太っていて、しかも普段から運動をしている人や、しっかりと寝ていて、物事をポジティブに捉えられる人であれば、大きなストレスを感じても食べられなくなるということはあまりないでしょう。
では、どうすればいいか?
オススメは適度な運動です。
運動にはストレス解消効果があります。
定期的に運動をするだけでうつ病の発病リスクを下げたり、うつ病の改善効果もあるくらいです。
特にリズム軽に身体を動かす運動が効果的。
ダンス、エアロビクス、ランニングなどですが、簡単にできて効果が高いのがウォーキングです。
ただ散歩をするだけ。
しっかりと運動をすれば身体が疲れて、自然とよく眠れるし、カロリーを消費するので自然な空腹感も得られるでしょう。
それ以外に有効なストレス解消法としては、音楽を聴く、瞑想やヨガをする、創造的な趣味を楽しむことがどがオススメ。
しっかりと睡眠時間を確保するのも、ストレスを溜めないために大切です。
自律神経が失調すると食べられない
自律神経とは、身体を維持するために自動的に機能する超優秀な機能のこと。
心臓が動くのも、胃腸が動いて勝手に食べ物を消化してくれるのも、暑いと汗をかくのも、すべて自律神経が自動的にコントロールしてくれるから。
この自律神経には、運動したり興奮したりすると活性化する「交感神経」と、安静にしていたり落ち着いていると活性化する「副交感神経」があります。
通常、昼間は交感神経が活性化していて活動的になり、夜には副交感神経が活性化して、だんだんと眠る体制を整えます。
これが昼夜逆転の不規則な生活を続けていたり、過度なストレスに長期間さらされていると、正常にバランスが取れなくなってしまいます。
昼間なのになんだかボ~っとしたり、深夜なのにドキドキして眠れなかったり、肩こりや頭痛が酷くなったり…。
自律神経のトラブルは、さまざまな悪影響を及ぼします。
食欲がなくなり、食べ物のことを考えただけで吐き気がしたり、食欲があるのに目の前に食べ物があると食べる気がうせてしまうことも。
自律神経のバランスが乱れていて食欲がない場合は、なんといっても自律神経を整えるのが大切。
ストレスをうまく解消したり、しっかりと眠ったり、運動したり、深呼吸するのもとても効果的です。
もし自律神経の乱れが続くようなら、病院に行って診察してもらうのも大切です。食欲不振が深刻なら、一般内科で見てもらいましょう。
空腹は慣れる!お腹が空き過ぎると食欲がなくなってしまう理由
「お腹がへってきたけど、まだ仕事があって食べられない」
そんな状態に陥った時に空腹感が限界を超えると、逆に空腹感がなくなってしまうことがあります。
同じように、ダイエットもずっと頑張りすぎると、そもそもお腹が減らなくなってきます。
その理由は、”空腹感”というもの自体が”脳が感じている感覚”に過ぎないからです。
空腹感や満腹感をコントロールするのは、脳内にある空腹中枢と満腹中枢。
この部位が身体からのシグナルを受診して、空腹感を感じるべきか満腹感を感じるべきかコントロールしています。
満腹中枢や空腹中枢はいろんな要素に影響されますが、最もダイレクトに影響するのが血糖値です。
血糖値は血液内の”糖質”(エネルギー)の割合のことで、少なくなると空腹を感じ、食事をして上がると満腹感を感じます。
また、胃にたくさん食べ物がはいると、胃からも満腹中枢にシグナルがいくとされています。
血糖値が低い状態が続いたり、胃に何も入っていない状態が続くと、空腹中枢に「飯を食え~」と身体から要請が入ります。
そこで「お腹空いたなぁ~」と感じるわけですね。
で、この脳からの指令を無視し続けると…なんと空腹中枢が身体からのシグナルに慣れてしまうのです。
人間は暑さや寒さに慣れたり、臭いニオイになれたり、過酷な仕事内容にだってなれちゃいます。
それと同じようにどんなに空腹でも、それにすぐになれてしまうのです。
まったく、恐るべき適応能力といえるでしょう。
この場合に大切なのは、少量でもとにかく何か食べることです。
食べなくていいと思っているのは脳だけで、身体は切実にエネルギーを求めています。
食欲がないから食べられない、という状態ではないのです。
何でもいいから、とにかく口に入れてみる。
ハンバーガーなんかの食べやすいファストフードでもいいですし、サクサク食べられるお菓子でもいいです。
とにかく何かを食べることで胃腸も刺激されますし、血糖値も上がります。
これらが刺激となって、再び空腹中枢が空腹感を取り戻せるでしょう。
健康な食欲を感じるためにやって欲しい3つの方法
「お腹が空いているのに食欲がない…」
その原因が体調不良の場合は、無理にたくさん食べようとせずに、まずはしっかりと健康を取り戻すことが大切です。
しっかりと眠ったり、休憩をとったり、消化が良くて栄養があるものを食べたりして体調の回復に努めましょう。
なんらかの病気が疑われる場合は、しっかりと病院で診察を受けるのも大切。
健康な肉体を取り戻せば、健康な食欲を取り戻せると思います。
ストレスが原因で「お腹がすいているのに、食べたくない」と感じている場合や、日常的に運動不足の場合は、まずはしっかりと運動をするのが大切です。
無理に美味しいものを食べようとしたり、消化に良いものを食べようとしてはいけません。
こういった行為を続けると、だんだん食べることが楽しくなくなってきてしまいます。
「食べることが辛い」という考えを持ってしまうと、ますます食欲も沸かなくなってしまうでしょう。
1日30分程度の散歩でも十分です。
毎日運動しなくても大丈夫です。
大切なのは継続すること。そうすれば、ストレス解消になり、自然な空腹感を感じられると思います。
元々小食であったり、何も食べない時間帯が長かったり、食べるのが好きではない、なんて方は空腹中枢が鈍感になっている可能性もあります。
そんな時に「お腹減ってないし」と何も食べないと逆効果。
お腹が空いていなくても、少しでもいいから何かを食べる。そうすることで、少しずつ正常な空腹感を感じれるようになるでしょう。
改善ポイント
①体調を整える
②軽い運動を心がける
③少しでもいいから何か食べる
お腹が空いているのに食欲がわかない場合は、これらの対処法を行うことで解決できるでしょう。
もちろん、これらの対策ですべてバッチリ解決するわけではありません。
あまり食べられずに疲れやすく生活するのがしんどい場合は、ちゃんと医療機関を受診しましょう!!
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