痩せすぎて脂肪が少ないと、抵抗力が弱まり体調を崩しやすくなります。
風邪をひきやすくなったり、ちょっと運動しただけで疲れやすくなったり…
ですがそれ以外にも、痩せすぎ体型は脳にまで悪影響を及ぼすことがわかりました。
痩せすぎ体型が脳に与える深刻な悪影響とはどのようなものなのでしょうか?
痩せすぎるとアルツハイマー型認知症になりやすくなる!!?
東邦大学医学部の本間尚子潤教授らの研究グループが、BMIと認知症の関係についての研究を発表しました。
BMIは身長と体重から割り出すことができる「体格指数」のこと。
一般的にはBMIが18.5以下になると「痩せすぎ」になり、25以上になると「太りすぎ」に分類されます。
東邦医大の研究によると、BMIが17.5以下の痩せすぎ女性の脳では、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの受容体がかなり少なくなっていることがわかりました。
さらにもうひとつ、アルツハイマー型認知症の女性患者の脳では、エストロゲン受容体が減少していることも判明。
このことから、痩せすぎ体型の女性は脳内のエストロゲン受容体が減少しており、それが将来的にアルツハイマー型認知症の発症リスクを上昇させるかもしれない、ということがわかりました。
この研究の対象は女性だけですが、痩せていると、病気になりやすく、体力がなくなり、肌荒れやシミが出来て見た目が貧相になるばかりか、ボケやすくなるってことですね。
アルツハイマー型認知症とは?
認知症といっても、実は様々な種類があります。
・アルツハイマー型認知症
・脳血管型認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症
などなど。それぞれに症状も違ってくるし、発症原因も違います。
アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最もポピュラーな病気。男性よりも女性に多く発症し、記憶障害や判断能力の低下などの症状が現れます。
一度発症すると、進行を遅らせることはできても、完治させることは不可能とされています。
その発症原因はまだ解明されていませんが、遺伝的な要素や、ストレス・生活習慣でも発症リスクが上昇するようです。
もし、家族でアルツハイマー型認知症を発症している方がいた場合、遺伝的にアルツハイマーになりやすい体質かもしれません。
痩せすぎ体型のままだと、アルツハイマーのリスクが高くなるでしょう。
そうでなくとも、痩せすぎ体型の女性は少なくともBMI=17.5以上に体重を増やさないと、将来脳の機能が低下してアルツハイマー型認知症を発症してしまうかもしれません。
女性で痩せすぎ体型に分類されるのなら、しっかりと体脂肪を蓄えて健康的に太りましょう。そうすれば老後もボケることなく、健康的に生き生きと生活することができるのではないでしょうか。
海外の研究でも痩せすぎと認知症の関係が指摘されている
次はロンドン大学の研究を紹介します。
イギリスはロンドン大学の研究グループが、40歳以上の英国人約196万人の医療データを解析しました。
するとIBM=20未満の痩せすぎ体型は、適正体重のグループよりも認知症発症リスクが34%も高いことがわかったのです。
その原因は詳しくわかっていませんが、どうやら「体重の減少」と「認知症」には何らかの関係があるようです。
アルツハイマー型認知症は”脳のゴミ”とも呼ばれるアミロイドβという物質が脳内に蓄積することで、そのリスクが高まります。
このアミロイドβが脳に蓄積してアルツハイマー型認知症が発症する1年くらい前から、なんと体重が減少傾向になるという研究結果もあるとか。
痩せすぎ体型は筋肉量がなく、血圧が上がりがちになるので、脳内のアミロイドβをうまく排出させることができないことがあります。
それが原因でアルツハイマー型認知症になりやすくなってしまうようです。
痩せすぎが原因の認知症を防ぐ2つの方法
痩せすぎが原因の認知症を防ぐには2つの方法があります。
まず、大事なのはしっかりと食事をして、体重を適正な値まで増やすこと。
太っていると不健康!
なんてイメージがありますが、とくに高齢になった後では、痩せているよりも少しくらい太っている方が遥かに健康的で長生きできます。
そしてもうひとつは、しっかりと眠ることです。
脳内に蓄積した”ゴミ”であるアミロイドβを脳の外に排出する、もっとも効率的で有効な方法は睡眠。
眠ることでアミロイドβは減っていきますし、睡眠不足が続いたりして睡眠時間が取れないと、アミロイドβは増えていきます。
もし痩せすぎ体型で認知症を予防したいのなら、普段からしっかりと睡眠時間を取るよう心がけましょう。
個人差はありますが、7~8時間程度の睡眠時間が最適です。
睡眠時間は長ければいいというわけではありません。
「長時間眠っている人は寿命が短い」なんて研究結果も存在します。
毎日7~8時間眠れば十分!
これだけでアルツハイマー型認知症を予防できるでしょう。
①適正体重まで増やす
②7~8時間眠る
この2つを心がければ、認知症のリスクを下げることができるのではないでしょうか。