今の日本では、痩せすぎ体型の女性が増えています。
そのため、生まれてくる赤ちゃんの体重も減少傾向にあります。
戦後の食糧不足から復興と経済発展の流れのなかで、赤ちゃんの体重も増加傾向にありました。にもかかわらず、最近では毎年減少し続けているのです。
元気な赤ちゃんを産むためには、どうすればいいのでしょうか。
痩せすぎの母親から生まれる赤ちゃんも痩せている
今の日本では、生まれてくる赤ちゃんの2人に1人が体重3000g未満だと言われています。
さらに2,500g未満の”低出生体重児”は、全体の1割にも及ぶとのこと。この割合は、先進国の中でも日本がダントツに高いです。
ほとんどの場合、赤ちゃんが軽い体重で生まれてくるのは、母親の痩せすぎ体型が原因です。母親が痩せていればいるほど、生まれてくる赤ちゃんの体重も低くなる傾向があります。
痩せすぎ体型の母親は、普通体型の母親に比べて、低出生体重児の確率が格段に上昇するのです。
低出生体重児の健康への悪影響は、大人になってからも続きます。
アメリカの研究によると、低出生体重児は糖尿病になりやすいことがわかっていて、母親の胎内にいるときに日常的に栄養不足になっているため”エネルギーをため込むシステム”が構築されるのが原因と言われています。
そのため低出生体重児は、大人になってからの生活習慣病リスクが、普通体重で生まれてきた赤ちゃんの6倍にもなるといわれています。
痩せすぎ体型だと、貧血や免疫力の低下、骨粗鬆症などを引き起こしますが、母親が痩せすぎ体型だと、そのこどもまで健康被害を被ってしまうのです。
深刻な飢餓状態で生まれたこどもたちの成人後は…
1944年の第二次世界大戦末期、オランダではナチスドイツの統制下で深刻な食糧不足に陥っていました。
この最悪の食糧不足で多くの人々が飢え、1日の摂取カロリーは600kcal以下にまでなったとのこと。
この状態は7カ月も続いたのですが、そんな中でも4万人もの新生児が生まれました。
子の4万人の新生児たちの母親は、全員が栄養不足で痩せていた状態。
このため、痩せすぎの母親から生まれたこどもには、どのような影響が及ぼされるのか、多くの研究が行われました。
その研究結果は驚くべきものでした。
栄養不足で生まれた新生児たちは、成人後、かなりの確率で肥満体になっていたのです。
糖尿病、高血圧、心血管疾患のリスクも、他の人たちに比べて高い確率で認められました。
さらに驚くべきは、その彼らのこどもにまで、その影響は続いていたのです。
つまり痩せすぎの母親から生まれたこどもは、将来成人病になるリスクが高まるばかりか、孫の世代までその悪影響は続いていったわけです。
戦争というつらい状態が、人類の健康に関する良質のデータを提供したんですから、なんとも皮肉な話です。
ともあれ痩せすぎ体型のままだと、自分だけでなく自分の子孫まで不健康にしてしまうリスクがあることを覚えておきましょう。
妊娠してから太ってもダメ!健康な赤ちゃんを生むための対策
痩せていると赤ちゃんに悪影響があるかもしれない。だったら、妊娠したら赤ちゃんのためにもたくさん栄養を取ろう!!
そう考えてしまうかもしれませんが、妊娠した後に太ろうとしても、すぐに改善するとは限りません。
貧血を改善するために、鉄分の多い食事を続けても、すぐに貧血が改善されるとは限りません。便秘を改善するために、ヨーグルトや食物繊維を食べても、すぐにお通じが良くなるとは限りません。それと同じことが言えるのです。
健康な赤ちゃんを生むためには、母親が普段からしっかりと栄養のあるものをしっかり食べて、健康的な体作りをしておくのが大切です。
そこに即効性のある対策はないのです。
当然と言えば当然ですね。逆に「痩せている母親でも元気な赤ちゃんが生める!」なんて健康食品があったとしたら、それはもうアヤシイ商品と言っていいでしょう。
痩せすぎの定義
太りすぎ、痩せすぎを定義する有名な計算式にBMIがあります。
BMI=体重(kg) ÷ 身長(m)÷身長(m)
このBMIの数値が18以下だった場合、身長や体重、見た目にがどれだけ普通でも痩せすぎになります。
BMIの標準数値は”22”ですが、女性の場合はBMI=20を目指すのが良いでしょう。
関連記事:女性のBMI標準値は?理想的な”美容体重”を導き出す簡単な計算式
健康的に太るには、しっかりと食べてカロリー摂取すること、そして筋トレをメインとした運動も欠かさないことが重要です。
特に小食で太らないという方は、まずはしっかりと食べて栄養を付けることが大事ですね。