痩せていることの弊害

痩せ体型は隠れ糖尿病に注意!痩せていると危険な3つの理由と予防法

糖尿病といえば、太っていて不摂生な食生活を続けている人…そんなイメージがありますが、最新の研究によると痩せている女性は糖尿病になりやすいことがわかりました。

でも、なぜ痩せている人が「太っている人の病気」である糖尿病になりやすいのでしょうか?

その理由と、痩せている人の糖尿病対策を紹介します。

スポンサーリンク

痩せている人が糖尿病になりやすい3つの原因とは?

いままでも男女共に痩せている方が糖尿病の発症リスクは高いことが知られていましたが、その要因についてはよくわかっていませんでした。

ですが、順天堂大学の研究により、痩せている人の糖尿病リスクが高い理由が少しずつ見えてきました。

まずは、順天堂大学が行った実験を簡単に紹介します。

 

20代の女性31人と、50~65歳の閉経後の女性30人の2つのグループに、ブドウ糖たっぷりの液体を飲ませて、血糖値を上昇させます。

そうして、血糖値がどう変化するかを調べるのです。

通常であれば、インシュリンが分泌されて血糖値は緩やかに下がっていくのですが…

調べてみると閉経後の女性の37%で血糖値が下がらずに高いままであったのです。

食後に血糖値が上がりっぱなしになると、すい臓に負担をかけてしまい糖尿病リスクが上昇してしまいます。

 

ですが、この”差”は何が原因なのでしょうか?

 

ポイントは”筋肉”です。

ご飯やパンなどの炭水化物や、デザートなどの甘いものを食べると、すぐに血液中に糖分が溢れて血糖値が上昇します。

血液に含まれた当分は脳の中枢神経のエネルギー源となりますが、あまりにも血糖値が上がり過ぎるとそれを調整するためにすい臓からインシュリンが分泌されます。

このインシュリンが、血液中の糖質を筋肉細胞や脂肪細胞に移し替えることで血糖値を下げてくれます。

「甘いものを食べると脂肪が増えて太る」と思われがちですが、実は筋肉こそが最も大量に糖を取り込めるんですね。

 

筋肉細胞はインシュリンの作用により血中の糖質を取り込んで血糖値を下げる。

 

この筋肉細胞の役割こそが、痩せている人が、特に高齢者の女性が糖尿病になりやすい原因となります。

その3つの要因をまとめてみます。

筋肉細胞が少ない

男女ともに高齢になればなるほど、運動量は減り、筋肉量も減っていきます。

特に女性は男性ホルモンの分泌が少なく、男性よりも筋肉量が少なくなってしまいます。

全身の筋肉量が少なくなると、その分だけ血液から筋肉細胞が受け取れる”糖”の量が少なくなってしまいます。

そのため、血液中の糖質が行き場をなくしてしまい、血糖値が上昇したままになっているわけですね。

筋肉細胞に異所性脂肪がついている

異所性脂肪とは、本来脂肪が存在しない場所についてしまっている脂肪の事。

加齢や運動不足などの影響により、筋肉細胞の中に異所性脂肪が増えると、インシュリン抵抗性が増します。

つまり頑張ってすい臓がインシュリンを分泌しても、肝心のインシュリンの作用が筋肉にうまく働かず、糖質が筋肉に取り込めなくなってしまうのです。

見た目が痩せて見えても、たくさんの異所性脂肪がついている可能性もあるので注意が必要です。

そもそもインシュリン分泌が少なくなっている

私たちの身体は加齢によってその機能を低下させていきます。

高齢になれば視覚や聴覚を衰えるし、若いころと同じように運動することもできないですし、消化器官の機能も低下していきます。

当然ですが、すい臓の働きも低下するので、インシュリンの分泌量も減少していきます。

インシュリンが減れば、血液中の糖を筋肉に取り込むこともできなくなり、血糖値が下がらずに上がりっぱなしになっていしまうでしょう。

 

食後に血糖値が上がったままだと、すい臓に過剰な負担をかけてしまい糖尿病リスクが上昇します。

①加齢による筋肉量の低下

②運動不足による筋肉内の異所性脂肪の増加

③加齢によるインシュリン分泌の減少

この3つの要因が重なることで、痩せすぎ女性の糖尿病リスクが上昇するということですね。

もちろん、女性よりは筋肉量が多いであろう男性も、痩せていると糖尿病リスクが上がるのは同じです。

では、痩せている人が糖尿病にならないための対策を紹介します。

痩せている人の糖尿病対策

糖尿病は自己免疫系のトラブルが原因で発症する1型糖尿病と、遺伝的体質や食生活、生活習慣の乱れで発症する2型糖尿病の2つがあります。

痩せすぎている人は血糖値が下がりづらく、2型糖尿病のリスクが上昇すると考えられます。

太っている人が2型糖尿病になるのは、常にカロリーオーバーの食事をとり続け、しかも運動不足な生活を続けた結果、インシュリンの分泌量が減ったり、インシュリンの利きが悪くなることで発症します。

太っている人が糖尿病を予防するには、健康的な食生活を心がけたり、運動を中心としたダイエットを行うことが有効です。

では、痩せている人にとっての糖尿病対策は?

 

それはしっかりと筋肉を付けることとなります。

 

筋肉量を増やすにはハードな筋トレをやらなければならない!!

…そう思うかもしれませんが、急にそんなトレーニングをやったら怪我のもと。痩せていると骨も弱くなっていて、骨粗しょう症になっている可能性もあるので、激しい運動は皮下たほうがいいでしょう。

そこで日頃から運動不足で筋肉がない人が筋肉を付けるためにまずやって欲しいことを紹介します。

 

それはたんぱく質をしっかりと摂取することです。

 

特別な運動をしなくても、3食毎にしっかりとたんぱく質を摂取すれば、筋肉細胞の減少を防ぎ、しっかりと増やすことができます。

具体的には、朝食・昼食・夕食で毎回20グラム以上のたんぱく質を摂取できるように工夫するのがいいでしょう。

ちゃんとたんぱく質を食べたうえで、少しだけ運動を心がければ、筋肉量は減ることなく少しずつ増加していきます。そうすれば、たとえ痩せている人でも、糖尿病になるリスクを低下させることができるでしょう。

  • 牛肉・豚肉・鶏肉
  • 納豆や豆腐などの大豆製品
  • 牛乳やチーズなどの乳製品

これらのたんぱく質を含んだ食材を、毎食のおかずに必ず食べることを心がけましょう。

 

また、「糖尿病=糖質を制限する」というイメージがありますが、これは実施には逆効果になる場合があるので注意が必要です。

糖質をまったく食べないと、身体は筋肉を分解してエネルギー不足を補います。すると代謝が悪くなり、血糖値が下がりづらくなることもあります。

糖尿病を予防するためには、しっかりと糖質を摂取するのが大切なんですね。

 

糖尿病は太っている人だけの病気ではありません。

痩せている人も、食生活や生活習慣次第では、十分に糖尿病になってしまう可能性があります。

  • 疲れやすい
  • 慢性的な疲労感
  • 頻尿
  • 喉の渇きがひどい
  • 傷の治りが遅い

もし痩せていて、このような”糖尿病の初期症状”が現れた場合は、念のため医療機関を受診して診ましょう。

オススメ記事:筋トレせずに筋肉を増やして体重を増加させる方法。

-痩せていることの弊害