- 胃下垂には牛角胃と鉤状胃の二種類があり、日本人は鉤状胃が多い
- 胃下垂になると胃の消化吸収能力が3分の1以下になり、食べてもしっかり太れなくなる
- 胃下垂を改善するには食べ方を工夫したり、生活習慣を改める必要がある
胃下垂とは、その漢字の通り”胃が下に垂れている”状態を指します。
一説には、スリムなモデル体型の人やガリガリに痩せている人は、ほとんど胃下垂になっているといわれています。
そのため、ダイエットしたい女性なんかは「胃下垂になりたい!!」という願望があるようです。
でも、それは認識が完全に間違っています。
胃下垂になると痩せてしまう理由と、胃下垂を改善する方法を紹介します。
胃には大きく2つのタイプがある
胃には肉食型の胃と、草食型の胃の2種類のタイプがあります。中でも胃下垂は草食型の胃が変化したものです。
肉食型の胃を「牛角胃」(ぎゅうかくい)と呼びます。
胃が横に広がっている形をしていて、欧米人に多いタイプです。
草食型の胃を「鉤状胃」(こうじょうい)と呼びます。
胃が縦に広がる形をしていて、日本人に多いタイプです。
鉤状胃はその形状から、食べ物が下に溜まりやすく、食べ物が下に溜まった状態が続くことで胃が下の方に伸びやすくなります。
ですが、胃は少しくらい食べ物が溜まったからといって、簡単に伸びるわけではありません。
胃下垂の本当の原因は、胃を支えるための筋肉や脂肪がない事なのです。
筋肉や脂肪がない、つまり痩せ型体型の人が胃下垂になるのです。
ダイエットしたい人が胃下垂になりたいと思うのは間違っています。なぜなら、胃下垂だから痩せているのではなく、痩せているから胃下垂になってしまっているのだから。順番が逆なわけですね。
胃下垂の症状
胃下垂になると、胃が下の方に垂れ下がり、みぞおちの下まできてしまいす。そのため、食べ物を食べるとみぞおちの下あたりがポッコリと膨らみます。
胃のぜんどう運動が悪くなるので、消化不良を起こしやすくなります。それに伴い、膨満感、胃痛、胸やけ、げっぷ、食欲不振などの症状が現れます。
消化しずらい形状になってしまっているのに、胃は頑張って消化しようと胃酸をたくさん分泌します。その影響で、胃炎や胃潰瘍になるリスクも上昇します。継続的に胃にダメージを与えていると、胃がんのリスクも向上してしまうでしょう。
また、胃下垂になるとエネルギー吸収効率がとっても悪くなります。
胃下垂の胃は、普通の胃と比べて消化能力が3分の1以下になってしまうともいわれています。
せっかく食べても効率よく栄養が吸収されません。痩せていて筋肉や脂肪が少ないせいで胃下垂になり、胃下垂のせいで栄養が吸収できずに太れない…完全に悪循環になってしまいます。
栄養が効率的に吸収できないので、肌荒れや冷え性の原因になったり、病気になりやすくなるのも問題です。
胃下垂は百害あって一利なし!!
では、どうすれば胃下垂を改善することができるのでしょうか?
胃下垂を改善する方法
胃下垂は症状名であり、病気の名前ではありません。たとえ消化器系内科に行ったとしても、胃下垂を治療することはできません。
胃下垂を改善するには、生活習慣を見直すことが大切です。
- 一度にたくさんの量を食べない
- お酒を飲みすぎない(アルコールは胃壁を荒らします)
- 過労やストレスは胃への刺激になるので、なるべく避ける
- 過度に熱い食べ物や辛すぎる食べ物はなるべく避ける
- 食後に急激な運動を避ける
このような習慣を心がけ、胃に過度の負担を与えないことが肝心です。
「胃下垂を改善するために腹筋をするとよい」なんて話を聞きますが、これも正確には間違いです。
胃を支えているのは「横隔胃筋」という筋肉で、これは腹筋では鍛えられません。それよりも、普段から積極的に運動をして身体全体を鍛えることを心がけましょう。
食事については、バランスがよくて消化の良い食べ物を食べるようにしましょう。
消化しづらいものは控える。
硬いものは小さく切るか、加熱調理をして消化しやすくする。
もちろん、よ~く噛んで食べることも大事。
食べ物を咀嚼することで、胃への負担を軽減することができます。
また、1回でたくさん食べるのではなく、少量を何度も食べるという食生活を送ることで、胃下垂で栄養吸収しやすくなります。
オススメは1日の摂取カロリーを5回に分けて食べること。
そうすれば、食事の1回1回でしっかりと食べ物を消化吸収できるでしょう。
そうした運動習慣や食生活で筋肉や脂肪がついてくれば、自然と胃下垂は改善していきます。
胃が正常な位置にもどれば、胃酸の分泌も適正化され、消化活動も効率よく行われるようになります。
健康的に太ることが、より簡単になるでしょう。
胃下垂の対策まとめ
では、胃下垂の人が健康的に太るための方法をまとめてみます。
バランスの良い食事を1日に5回にわけて食べる。そうして、しっかりと運動して筋肉をつける。胃に負担をかける暴飲暴食は控える。よく眠り、ストレスを溜めない。
胃下垂に特効薬はありませんが、そんな生活を心がければ、筋肉や脂肪がついてきて胃下垂も改善するのではないでしょうか。
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