- ラベンダーの香りには副交感神経を優位にする作用がある→ストレスによる食欲不振を改善し、食事量が増える
- ラットに実験ではラベンダーの香りで胃を支配する迷走神経活動が促進され、食事量が増えた
- ラベンダーの香りをかぐだけで太るわけではないが、食事量が増える可能性は大いにある
アロマテラピーは花や植物の香りの作用を利用して、健康やリラックス効果を得る”自然療法”のひとつです。
アロマは何百種類とありますが、その中でもラベンダーは主要なアロマのひとつで強いリラックス作用が知られています。
そんなラベンダーのアロマにはストレス緩和作用がありますが、嗅ぐだけ体重を増加させる作用もあるようです。
その作用の秘密と、しっかりと健康的に体重を増やすための利用法を紹介します。
ラベンダーの香りで健康的に太れる理由
まずは、ラベンダーの香りの基本的な作用を紹介します。
ラベンダーのアロマには副交感神経を優位にする作用があり、リラックス作用、血圧の低下作用などが得られます。
薬理作用としては、抗けいれん作用、鎮静作用、抗不安作用があります。
注目すべきは、ラベンダーがもつ”副交感神経を優位にする作用”です。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。
交感神経は活発に活動するときに優位になります。
例えば危険を感じると汗が流れ、心臓がドキドキするのも交感神経の働きのため。
これは太古の昔から人間の中にある”生存のための機能”です。
汗は手に持った武器が滑らないようにするため、ドキドキするのは急に敵から攻撃されてもすぐに動いて反撃したり逃げたりできるようにするためともいわれています。
現代では外敵に攻撃されるということはないですが、知らない人に急に声をかけられて緊張したり、仕事で失敗しないか心配だったり、上司に怒られたりすると交感神経は優位になります。
交感神経が優位になると、呼吸は浅くなり、消化吸収機能も低下し、排泄活動もストップします。(外敵から襲われるかもしれないって時に、トイレに行きたくなったら死活問題ですからね)
つまり、慢性的に仕事や人間関係でストレスを感じていると、その影響で交感神経が刺激され、食欲が低下してしまう原因になるのです。
逆に副交感神経はリラックスした時に優位になります。
例えば森を歩いていて、茂みがガサガサッ!!と揺れたら「猛獣が出てくるかも!!」と全身の交感神経が活発になり、臨戦態勢になります。
ですが、茂みから飛び出してきたのが可愛らしいウサギだったとしたら、「な~んだ」と安心し副交感神経が優位になります。
副交感神経が優位になると呼吸がゆっくりと深くなり、食欲も沸いてきます。副交感神経が優位になりすぎると、眠くなっちゃうこともあります。
普段から食欲があまりない場合、忙しすぎたり、疲れすぎたり、ストレスを感じすぎたりすることが原因で交感神経が優位になり過ぎている可能性があります。
常に交感神経が優位な状態=痩せやすい
常に副交感神経が優位な状態=太りやすい
活発化した交感神経を落ち着けて、副交感神経を優位にすることで、健康的に太りやすい状態を作れます。
そしてそのためには、ラベンダーの香りがとても効果的なのです。
ラベンダーの香りは摂食量と体重を増加させる
「ラベンダーの香りと神経機能に関する文献的研究」という論文にこのような記述があります。
ラベンダーの匂い刺激は白色脂肪組織、褐色脂肪組織と副腎を支配する交感神経活動を抑制し、胃を支配する迷走神経活動を促進、血漿グリセロール値と体温、血圧を低下させ、摂食量と体重を増加させた。
ラベンダーの香りには交感神経を抑制し、胃に作用して食欲を増加させる作用があります。
これはラットを用いたラベンダーの実験結果ですが、恐らく人間にも同等の効果発揮すると考えられます。
人間でもラベンダーの香りでリラックスすれば、自分でも気づかないうちに食事量が増えるかもしれませんね。
ただし、アロマテラピーの効果には個人差があります。
食べ物の好き嫌いがあるように、音楽の好みが人それぞれ違うように、香りにも人それぞれの好みがあります。
万が一、ラベンダーの香りを不快に思うようであれば、無理をして使う必要はありません。
不快に思っているのに無理して使い続けたら、逆にストレスが溜まって食欲不振になってしまうでしょう。
食事量を増やすアロマテラピーのコツ
ラベンダーに食欲増進効果がある、とはいえ食事中もず~っとラベンダーの香りを漂わせておくのはNGです。
食事中は食べ物の匂いを楽しみ、食事そのものを楽しむのが大切。
アロマテラピーによるリラックス作用は食事の前に行いましょう。
キッチンで料理している最中にラベンダーの香りを漂わせておいたり、トイレの中をラベンダーの香りにしておくのも有効です。
アロマテラピーはラベンダーの精油と、専用のアロマディフューザーを使うのがいいでしょう。
もし専用のアロマディフューザーがなくても、コップに入れたお湯に一滴垂らすだけでも大丈夫。
キッチンのタオルに一滴垂らしたり、枕に香りをつけるのもいいかもしれません。
食事の最中にラベンダーの香りがしないように気をつけて、日常生活の中にアロマテラピーを導入すれば、自然に食事量も増えて健康的に太ることができるでしょう。